2005年10月3日

『そんな新事業なら、やめてしまえ!』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502595

本日の一冊は、コカ・コーラ社の「伝説のマーケター」として知られ、タイム誌が選ぶ「20世紀の三大広告人」にも選ばれた、セルジオ・ジーマンによる待望の新刊です。

これまでの著作同様、歯に衣着せぬ語り口で、イノベーション礼賛主義を批判し、イノベーションよりもむしろリノベーション、つまり、既存の資産と事業能力を利用してより優れたことをする、というアプローチを勧めています。

著者によると、このリノベーションを成功させるために必要なのは、コア・コンピタンシー、コア・エッセンス、資産やインフラストラクチャーの3要素。

このそれぞれの要素をどうとらえ、生かしていくか、という視点は、ブランド論としても秀逸です。

事例も豊富で、読み応えがありますが、意外にさくさく読めるのも本書の魅力です。

マーケターだけに読ませておくにはあまりにもったいない一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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世の大多数の企業ではイノベーションは機能しない

◆自分が持つ能力の三つのキーポイント
1.コア・コンピタンシー:得意とすること
2.コア・エッセンス:あなたはいったい何者か
3.資産やインフラストラクチャー

リノベーション派にとっての課題は、これからやろうとしているこ
とが消費者に対して約束することを必ずできるように、適切なコア・
コンピタンシーと資産を確実に持つようにすること

重要なのは、あなたの会社とブランドに接して消費者が心に抱く、フィーリングや感情やイメージ

◆コア・エッセンスを知るために尋ねるべきこと
1.エモーション面のベネフィット
2.機能面のベネフィット
3.属性

マーケティングの目的は売上げを増やすことであり、マーケティングに使う金はすべて測定できる結果を生み出さねばならない

値づけは、ほかのどのファクターよりも利益に与える影響が大きい

成長を望むなら、最も収益性の高いセグメントにあなたのリソースを重点的に割りつけなければならない

◆デマンドベース・セグメンテーション
1.最も価値ある顧客を特定する
2.機会をセグメント化する
3.時機をセグメント化する

優れたポジショニングのカギは、初期の段階で顧客および消費者との対話の主導権を握って、それを手放さないことだ

自分は製品やサービスを売っていると考えたとしても、実際に売っているのは「経験価値」なのだ。そして詰まるところ、その経験こそがあなたと競争相手を区別する、ただ一つのものなのだ

消費者は自分の買い物が正しかったという確信が欲しい
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『そんな新事業なら、やめてしまえ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502595
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■目次■
はじめに
第1章 イノベーションの5つの落とし穴
第2章 いますぐ、すべきはリノベーションだ!
第3章 思考パターンをリノベートせよ
第4章 ビジネス・デスティネーションをリノベートせよ
第5章 競争的枠組みをリノベートせよ
第6章 セグメンテーション手法をリノベートせよ
第7章 ブランド・ポジショニングをリノベートせよ
第8章 顧客のブランド経験価値をリノベートせよ
第9章 すべてを連動させろ
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