2005年5月27日

『転職したいヤツに欲しい人材はいない』

http://tinyurl.com/9mlso

本日の一冊は、ベストセラー『クビ!論』の著者であり、かつて外資系企業で1000人のクビを切ったという人事のプロ、梅森浩一さんが、サラリーマンの転職やキャリア設計について語った注目の新刊です。

※参考:『クビ!論』
http://tinyurl.com/4rmld

刺激的なタイトルとは違い、内容は極めてオーソドックスな転職論。言葉は違えど、言っているのは、要するに留まることと辞めることのメリット・デメリットを比較し、リスクを考慮して決めろという話です。

「二つの専門性を掛け合わせた『ハイブリッドな専門性』」という概念や、求人していない企業に対し「自分用にポジションをつくってもらう方法」などは参考になりますが、これとて類書があり、またヘッドハンターや人材コンサルタントが通常話している内容のレベルです。

主張したいことは、起業ブームに流されることなしに、冷静に見極めろ、ということのようですが、現状を踏まえると、どれほど受け入れられるのかは未知数です。

とはいえ、文章は読みやすく、主張もきわめて正統派のため、20代の新卒・第二新卒向けの癒し本としては、いいかもしれません。
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■ 本日の赤ペンチェック
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もはや、一握りの外資系企業のみならず国内企業においても、抱える社員一人一人に「その道のプロ」としての実績と実力を求める時代。
たとえ目先のお給料がよく思えたとしても、転社先でそのような待遇が長く続く保証というものもないのが実情。

「起業家」の神経を逆なでするようなサラリーマンの、「オイシイところ」って、あなたは自身、キチンと整理し納得されているのでしょうか。
コレコレが「トクだソンだ」といった議論もさることながら、コレコレを「自分でやりたい」という、素朴かつ心の底から湧き上がる情熱やら欲求というものがなければ、そもそも起業なんかムリ
自分なりにキチンと納得いくまで「メリット・デメリット」を、す
べて秤にかけることなく転社・転職を選択してはならない。

世間でいうところの「ジョブホッパー」にあてはまるかどうかは、その人の過去の転社・転職歴が、きちんとその人のキャリアの目標に合った、「プラットホーム(活躍の場)」を手に入れるためのものであったかどうかが、ひとつの試金石。

◆人間関係が理由でやめる際の条件
目の前のイヤなヤツが自分を好きになった時点で辞める。ファンダメンタルなスキルは、ユニークなスキルより大切。
オススメしたいのは、あなたがすでに持つ、二つの専門性を掛け合わせた「ハイブリッドな専門性」を身につけること。

◆攻めの情報ソース:自分用にポジションをつくってもらう

◆ヘッドハンターの人材の探し方:できる人からの紹介
転職する、しないにかかわらず、たえず目立つ人でいることが大切
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『転職したいヤツに欲しい人材はいない』
http://tinyurl.com/9mlso
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■目次■
I 転職したいヤツに欲しい人材はいない
II お金、やりがい、自己実現……
III 会社に残って磨くべき「スキル」
IV それでも踏み出すあなたへ
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