2005年1月10日

『在庫管理のための需要予測入門』

http://tinyurl.com/6tkqo

本日の一冊は、キヤノン販売グループのITサービス事業の中核を担うソリューションプロバイダ、キヤノンシステム・ソリューションズによる、需要予測の入門書です。

需要予測の基本的な考え方から、在庫の考え方、発注量の求め方、需要予測の各モデルの紹介、予測システムの導入事例まで、じつにさまざまな事がらが、コンパクトに1項目見開き2ページでまとめられています。

非常に見やすく、とくに需要予測モデルの種類とその計算式を閲覧したい時には、威力を発揮しそうです。

ここでは、書かれている内容のポイントと、どんな項目が網羅されているのかだけ、ご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■需要予測の重要性が高まっている背景
1.顧客満足度重視の経営
2.顧客要求の短期化
3.プロダクトライフサイクルの短縮
4.キャッシュフロー重視の経営

■当たらない需要予測をなぜ行うのか
1.「なくせない外れ」に関して外れ度合いを見積もることができる
2.「なくせる外れ」を極力小さくすることができる

■在庫の役割
1.円滑な供給
2.需給関係の潤滑油
3.需要変動の吸収

■ABC分析による重点管理
需要量合計の大きい順に商品を並べてA、B、Cにグループ分け。通常は全体の10%前後の品目で全品目の需要量の80%近くを占めることが多いので、ここから順に重点管理する

■在庫管理方式の種類は2つ
1.定期発注方式
発注量=過去の平均出庫量 ×(発注サイクル+調達リードタイム)+ 安全在庫量-発注日時点の在庫量
 ※安全在庫量=μ×(T+L)+α×σ×√(T+L)-(Z+R)

2.発注点方式
過去の平均出庫量×調達リードタイム+安全在庫量
 ※安全在庫量=μ×L+α×σ×√L

■移動平均法を活用することのメリット
ノイズをある程度除去。需要データのトレンド、周期変動の明確化

■本書で紹介している需要予測モデルの種類
1.単純移動平均モデル
2.MAモデル
3.一次指数平滑モデル
4.直線・曲線近似モデル
5.ARモデル
6.ARMAモデル
7.ARIMAモデル
8.ウィンターズモデル
9.ニューラルネットワーク
10.重回帰モデル
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本書にはほかにも、キャンペーンの需要を予測したり、他の商品との相関関係を考慮に入れたりと、実務上必要となるさまざまな視点を盛り込んでいます。

土井も以前はバイヤーをやっていましたので、何冊か需要予測の本は読んでいますが、この本はそのなかでも一番わかりやすい部類だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『在庫管理のための需要予測入門』
http://tinyurl.com/6tkqo

です。企業の仕入れ担当者や、SCM関連の業務の担当者におすすめしたい、そんな一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 需要予測とは
第2章 在庫管理の基本
第3章 需要予測モデルの基礎
第4章 需要予測モデルの実践
第5章 需要予測による在庫管理
第6章 需要予測システム
第7章 需要予測システム導入時のポイント
参考書籍
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