2008年4月7日

『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラー・著

【コトラー&ケラー夢のコラボ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894716577

みなさんご存じ、マーケティングの神様、フィリップ・コトラー教授によるバイブル『マーケティング・マネジメント』が久々に全面改訂されました!

しかも今回は、ブランド・マネジメントの第一人者ケビン・ケラーとの共著で、時代の要請が高まるブランド理論を盛り込んだ、待望の本格マネジメント論です。

約1000ページの大著ではありますが、個人的には絶対に買うことをおすすめします。

というのも、土井は大学時代にコトラーの『マーケティング原理』という分厚い本を読んだのが初めだったのですが、コトラーの本は事例や洞察がおもしろく、分厚さを忘れて楽しめるからです。

以来、何度か『マーケティング・マネジメント』や『マーケティング原理』の改訂版を読んでいるのですが、正直、それまでのものとさほど違いは感じられませんでした。

しかし、今回の改訂版は違います。IT化についていけず、一時は終わったかと思われたコトラーのバイブルが、ケラーの手によって完全復活したからです。

アメリカ企業の興味深い最新事例に加え、何といっても日本語版初のフルカラーが嬉しい。

アメリカに行かずとも、各企業の取り組みや商品・サービスの様子が、写真から伝わってくる、見事な出来となっています。

また、昨今の世論を受けて、無視できなくなったマーケターの社会的責任についても、事例つきで紹介されています。

マーケターに必要な理論や大局観を身につけたい方に、ぜひおすすめしたい、マーケティングのバイブルです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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製品コンセプトとは、品質や性能が最高であったり、革新的な特徴
のある製品が消費者に好まれるという考え方である(中略)しかし、
製品に執着するあまり、「より良いネズミ取り」に例えられる過ち
を犯す可能性もある。今よりも良いネズミ取りを作れば大ヒット商
品になるだろうと考えてしまうのだ

ジョージ・デイは、市場主導型組織は3つの固有のケイパビリティ
に秀でていると言う。それは、市場を感知する力、顧客をつなぐ力、
流通チャネルを結合する力である

企業は、データベース上の顧客全員に「じゅうたん爆撃」のような
無差別に大量の案内状を送るのではなく、購入時期、購入頻度、購
入金額に応じてそれぞれの顧客に得点をつけ、得点の高い客だけに
案内状を送る。こうすれば、送料が節約できるだけでなく、2桁と
いう高いレスポンス率が得られることが多い

◆IDEOが顧客の経験を把握するための7つのテクニック
追跡 行動マッピング 消費者動向記録 写真記録
両極ユーザーへのインタビュー 体験談 アンフォーカス・グループ

アマゾン・ドットコムは常にマーケティング活動をチェックしてい
ることで知られている。ジェフ・ベゾスCEOは、注文1回当たり
の顧客との平均コンタクト回数、1回のコンタクトの平均時間、電
子メールと電話のコンタクト回数比、電子メール、電話それぞれの
総コストを報告させている

アメリカン・エキスプレスのジェームズ・V・パッテンによれば、
最高の顧客は他の客に比べ、小売業で16倍、飲食業で13倍、航空業
で12倍、ホテル業で5倍の額を使うという

ハイテク機器を購入するのは男性よりも実は女性の方が多い

時間に飢えた消費者たちは、マルチタスクの傾向がある。つまり、
一度に2つ以上のことを同時進行させるのである

消費者は、十分な「動機」「能力」「機会」を有しているときにの
み、中心的ルートを通る

どのブランドにも境界があり、ブランドはその境界までしか拡張できない

イケアはその評判を、スウェーデンは良質で安全で頑丈な大衆向け
の品を生産するという通念の上に築いた

優れたサービス提供者は、高いサービス品質基準を掲げている。シ
ティバンクでは、電話は10秒以内に取り、顧客の手紙には2日以内
に回答する

企業が高価格のイメージを望むなら、端数で終わる戦術は避けるべき

インターネットの顧客サンプルのうち89%はたった1つの本屋サイ
ト、84%は1つの玩具店サイト、81%は1つの音楽サイトしか訪問し
ていない

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『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』
フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラー・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894716577
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◆目次◆

第1部 マーケティング・マネジメントの理解
第1章 21世紀のマーケティングの定義
第2章 マーケティング戦略とマーケティング計画の立案
第2部 マーケティングのための情報収集
第3章 情報収集と環境調査
第4章 マーケティング・リサーチの実行と需要予測
第3部 顧客との関係構築
第5章 顧客価値、顧客満足、顧客ロイヤルティの創造
第6章 消費者市場の分析
第7章 ビジネス市場の分析
第8章 市場セグメントとターゲットの明確化
第4部 強いブランドの確立
第9章 ブランド・エクイティの創出
第10章 ブランド・ポジショニングの設定
第11章 競争への対処
第5部 市場提供物の形成
第12章 製品戦略の立案
第13章 サービスの設計とマネジメント
第14章 価格設定戦略と価格プログラムの策定
第6部 価値の提供
第15章 バリュー・ネットワークおよびチャネルの設計と管理
第16章 小売業、卸売業、ロジスティクスのマネジメント
第7部 価値の伝達
第17章 統合型マーケティング・コミュニケーションの設計とマネジメント
第18章 マス・コミュニケーションのマネジメント:広告、販売促進、イベント、パブリック・リレーションズ
第19章 人的コミュニケーションの管理:ダイレクト・マーケティングと人的販売
第8部 長期的成長の実現
第20章 新製品の開発
第21章 グローバル市場への進出
第22章 ホリスティック・マーケティング組織のマネジメント

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