2015年8月21日

『人間の分際』曽野綾子・著 vol.4049

【「分際」を知れば、違う道が見えてくる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498384X

不況に強い会社と、好況時に波に乗る会社。

どちらが良いかと問われれば、やはり不況に強い会社が良いと考えています。

なぜなら、経営に苦境は付き物であり、それはたびたび訪れるから。

これは、人間の一生に関しても同じだと思っています。

本日ご紹介する一冊は、人生で苦境に立たされた時、励ましてくれる、作家・曽野綾子さんの名言集です。

自身の著作から、『人間の分際(ぶんざい)』という大テーマに則したものを選び、まとめたもので、人生に役立つヒントがたくさん詰まっています。

いろんな著作から抜き出しているため、文体がバラバラだったり、内容の重複があったりと、いくつか気になるポイントがあるのですが、個人が人生のヒント、キャリアのヒントを得る上で、示唆に富んだ一冊です。

さっそくですが、内容をチェックして行きましょう。

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昔から好きで、文章を書くことが心理的に重荷ではなかったから、作家としてならやっていけるだろうと思った。それは「為せば成る」とは正反対の歩き方だった。そうした当たり前のことをするのを、人間の分際というのである

生涯の勝ち負けは死ぬまでわからない

人の生き方は外見や能力とはあまり関係ない。運命を受け入れ、そこからそれぞれの道を歩き出す気力があるかないかの違いなのだ

事実、最善ではなく次善で、うまくいった人はたくさんいます

不幸はれっきとした私有財産であった。だからそれをしっかりしまいこんでおくと、いつかそれが思わぬ力を発揮することがある。しかし社会が悪いからこうなった、という形で不幸の原因を社会に還元すると、それは全く個人の力を発揮しないのである

不幸な人だけが希望を持てる

人は、他人のことをわかっているつもりで噂をするが、実は何も事情を知らない

私は世間の誤解や雑音を覚悟の上で、付き合いたい人と付き合ってきた。人生はすべてのことに代価を払わなければならない。それが強い個性のある友人を持てた第一の秘訣ではないかと思う

「許す」という行為は生きる目的になりうる

失われた愛によって豊かになる人生もある

お金で得られる幸せもある

私の考える「成功した人生」は、次の二つのことによって可能である。一つは生きがいの発見であり、もう一つは自分以外の人間ではなかなか自分の代替えが利かない、という人生でのささやかな地点を見つけることである

何歳で死のうと、人間は死の前に、二つのことを点検しているように思われてならない。一つは自分がどれだけ深く人を愛し愛されたかということ。もう一つは、どれだけおもしろい体験をできたか、である

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全体的に、人生のネガティブな側面をポジティブに捉える考え方で、じつに元気になれました。

ビジネス書が目指す方向性とはまた違った方向性ですが、思わぬ形で人生やキャリアのヒントになる本だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『人間の分際』曽野綾子・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498384X

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◆目次◆

第一章 人間には「分際」がある
第二章 人生のほんとうの意味は苦しみの中にある
第三章 人間関係の基本はぎくしゃくしたものである
第四章 大事なのは「見捨てない」ということ
第五章 幸せは凡庸の中にある
第六章 一度きりの人生をおもしろく生きる
第七章 老年ほど勇気を必要とする時はない

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