【アドラーの次に読みたい】
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本日の一冊は、教師歴32年のベテランであり、問題を抱えた子どもたちを数多く立ち直らせてきた著者が、『道徳の話』をまとめた一冊。
教訓の多くは大人が聞いても勉強になるものばかり。かつどうやって道徳を伝えれば良いかが書かれているので、上司や親の指導の参考にもなります。
たとえば、「配慮=やられていやなことを他人にしない」ということの説明に、著者はこんな話をします。
「今まで、人の言葉で傷ついたことがあるって人、いますか?」
ここで、普通はたくさん手が挙がるわけですが、その後すかさず、
「じゃ、自分の言葉で人を傷つけたことのある人?」と聞く。
すると、通常、挙手は減るわけなので、それを受けて著者はこう話すのです。
「でも、ちょっとおかしくないかな? これだけ傷つけられたって人がいるなら、傷つけた人ももうちょっといてもおかしくないんじゃないかな?」
「みんなが嘘をついてるって言いたいわけじゃないんだ。つまり、自分でも意識しないうちに『いつのまにか』傷をつけてしまっていた、ということが多いってことなんだよ(略)」
一事が万事この調子で、すべての概念がたくみな比喩を用いて説明されており、教える側の人間なら、思わず唸ってしまうはず。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は「受け身」である以上「自尊」の念を持てない
子どもたちに勇気の大切さを教えないことが、目先の保身を選ばせる
「有り難い」はずなのに、「ある」ということに気付けば自然に感謝の念が湧いてくる
「義務」あってこその「権利」と同様に、「自由」にも、欠くべからざる前提がある。それは「信用」だ。信用ができる人にのみ自由は与えられる。大きな「自由」がほしければ、大きな「信用」を築け。こうした基本を子どもたちにもしっかり教えるべきだ
成長っていうのは、自分のことだけじゃなくて、だんだん周りにもエネルギーを注げるようになること
並んでいる人の前に割り込むのが無礼であることは誰でもわかる。それは「人を後回しにして、自分を優先したから」だ。「気持ち」も同じだ。自分の気持ちを優先することは無礼で、相手の気持ちを優先することが「礼儀」なのだ
好きなことが増えることが成長なのだ
ゲームをやっている子は「集中」しているように見える。しかし、ゲームは向こうから勝手に押し寄せてくる事態に「反応」しているだけだ。押し寄せる「あれやこれ」に忙しく反応しているのが子供の実態だ。刺激的なことの連続だ。飽きるはずがない。しかし、価値あることを創造するのは「能動的」な集中力だ
過去の偉業は、すべて「一時に一事」の積み重ねでなされたものだ
私は、バスケットボール部を指導していたときには、よくこう言ってきた。「疲れた」「暑い」「もうだめ」などの言葉を人より後に言える子になれ。最初に言う子になるな。できれば「最後を目指せ」ということである。これだけで、かなり言動が変わる。意識が変われば、むやみに泣き言を言うことは減る
子供の個性を伸長させるには、まずその子の「変なところ」を認めてやるという心構えが大切だ
仏教には「顔施(がんせ)」という言葉もある。笑顔に代表される「よい表情」でいることは、周りの人たちにいい気分を施すことにもなるのだということだ
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『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』平光雄・著 致知出版社
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◆目次◆
第1章 真っ直ぐに生きる心を育てる
第2章 社会で生きるルールを身につける
第3章 ものごとにいかに取り組むか
第4章 人間ってなんだろう
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