【結婚、離婚、犯罪もすべて経済学で読み解ける?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270004363
本日の一冊は、フィナンシャル・タイムズ紙の人気ジャーナリスト、ティム・ハーフォードによる注目の一冊。
以前にご紹介した『ヤバイ経済学』同様、社会問題やそれを引き起こす人間の行動を「インセンティブ」でとらえ、論じた内容で、じつに刺激的な内容です。
※参考:『ヤバイ経済学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313788/
著者いわく、「あるもののコストや便益が変わると、人は行動を変える」そうですが、本書にはまさに「合理性」に囚われて行動してしまう、人間の性が書かれています。
なぜ現代女性が高等教育を受けたがるのか、なぜ売春婦は入手可能な状況下でもコンドームをつけないのか、なぜ大勝ちを狙うギャンブラーはブラフを使うのか…。
本書の理論を応用すると、なぜ今、勝間和代さんが売れているのか、『「婚活」時代』が売れているのか、その背景と理論のベースまでわかってしまいます。
※参考:『「婚活」時代』
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「アルコールの価格が上がったときに飲酒量をいちばん減らすのは、アルコール依存者なのである」など、さまざまな研究結果、実験結果からわかった意外な事実も紹介されており、そこからビジネスのヒントも見つけられる一冊。
読み物としても楽しめますので、ぜひ一度読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ある地域の犯罪率が高ければ、合理的選択理論に基づくなら、そうした地域では犯罪が割に合っていることになる
フレーミングを変えると、選択も変わった
人は自分がそれをもっているというだけの理由で、突然、自分がもっているものを高く評価するようになる
経験豊富なピンバッジ・コレクターが取引に応じる割合は、経験の浅いコレクターよりもはるかに高い
ギッフェン財とは、キニーネ水のように、貧しい人々にとってのつましい必需品で、価格が上がると需要も増大する財のことである。価格が上昇すると、貧困が増え、貧困者の需要が増えるからだ
無防備なセックスを一回したためにHIVに感染するリスクは小さく、報酬はそれをはるかに上回る
つねに最新の知識をもっているようにするインセンティブが最も強く働く者は合理的な行動をとる。客は、経済学用語を使うなら、「合理的であるがために無知」のままでいる
ブラフを絶対にしないプレイヤーは、けっして高額のポットを手に入れることはない。賭け金をつりあげる稀なケースでは、ほかのだれもが高額を賭ける前にゲームから降りるためだ
平凡なカードのときよりもひどいカードのときにベットするほうがよいのである。これが(合理的な)ブラフの真髄である
ベッカーとマーフィーは、値上げが予想されるときには、実際に値上がりする前にタバコの消費量が減ることを突きとめた
アルコールの価格が上がったときに飲酒量をいちばん減らすのは、アルコール依存者なのである
たった一人の「売れ残った」女性が、すべての独身男性に最大限の選択肢を与え、ほかのすべての女性の交渉上の地位を突き崩してしまいかねない
離婚リスクの高い女性のほうが仕事をする割合は高い
私が公園を楽しめるのはあなたが公園にいるときだけであり、あなたが公園を楽しめるのは私が公園にいるときだけだとしたら、人とも公園に行かない可能性がきわめて高くなる
黒人の子どもが人生で不利なスタートを切るのは、黒人であるためではなく、困難な家庭環境のなかで育つ確率が高いため
黒人が不利な立場に置かれつづけていたのは、十分な「社会関係資本」がないからだった
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『人は意外に合理的』ランダムハウス講談社 ティム・ハーフォード・著
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◆目次◆
原著まえがき
第1章 日常生活に潜むロジック
第2章 ラスベガス――理性の淵
第3章 離婚は過小評価されているのか
第4章 どうして上司は給料をもらいすぎているのか
第5章 居住区にて――街角で刺されないための経済学
第6章 合理的な人種差別の危険性
第7章 ギザギザ化する世界
第8章 合理的な革命
第9章 一〇〇万年のロジック
訳者あとがき
原注
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