【インドビジネス成功のポイントが見える?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408110418
カースト制度に根差した人種差別やインフラ不足など、さまざまな問題が指摘されながらも、着実に経済成長を遂げているインド。
十数年後には、中国を抜き、世界一の人口になるという予測もあります。
本日の一冊は、そんなインド市場の「今」を、インドビジネスのリサーチ、コンサルティングを行う、株式会社ネクストマーケット・リサーチ代表取締役の須貝信一さんがレポートした一冊。
ホンダ、ヤマハ発動機、セイコーエプソン、カシオ、キヤノン、パナソニック、参天製薬などの取り組み事例を紹介しながら、著者独自の視点で、インドビジネス成功の秘訣が語られています。
重機よりも人力、電力供給は風まかせ、地下水は硬水のため(錆びる)、そのままでは工業用水として使えない、多雨の地域では水害リスクを考慮…。
これだけ読むと、気分が暗くなりますが、だからこそ、本書を読んで、うまいやり方を探したい。
電力供給を気にするなら、グジャラート州(最悪なのはタミルナドゥ州)、硬水は逆浸透膜による濾過処理をする、西武沿岸地域に進出するなら工業立地の海抜や周辺の地形に注意……。
本書によると、日本企業が進出するなら以下が候補に挙がるそうです。
インド北部
「デリー」「ハリヤナ州」「ウッタルプラデシュ(UP)州」「ラジャスタン州」
インド西部
「マハラシュトラ州」「グジャラート州」
インド東部
「西ベンガル州」
インド南部
「タミルナドゥ州」「カルナタカ州」「アンドラプラデシュ(AP)州」
土地収用の際の注意事項や、進出前調査の視点、マーケティング成功の秘訣(インド人気質の理解)、今後どの都市の人口が増えるのかなど、現地情報満載で、じつにワクワクする一冊です。
インド進出を考える経営者はもちろん、これから視察に行こうと考えている方も、ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「インドでは最大の競合はヒトです」──重機メーカーの担当者の言葉だ。ヒトが何でも運ぶため重機が要らないのである。ビルや工場の建設現場では2014年現在も、レンガを頭の上に載せて運んでいる
進出地の検討では、自社の生産ラインと当地の電力状況を考慮する必要がある。西部の州、特にグジャラート州は、他州と比較して、毎年二桁の高度経済成長を維持しながら、需要の増加によく対応できている
27業種に亘る大規模な企業アンケート等によれば、「取水が容易ではない」と答えた企業は23.3%に達しており、「取水は容易だが、コストが高い」と答えた企業は28.3%にのぼる
インド最大の眼科医院であるナラヤナ・ネスララヤ病院のブジャン・シェティ会長兼社長は、現地ビジネススタンダード紙のインタビューでこう述べている。インド最大の眼科医療病院チェーンである同社は、自称アジア初となる「ドライアイ専門の研究所」を2013年に設立した(中略)こうした動きが伝われば、「医療用ドライアイ点眼薬」に力を入れてきた眼科用製薬大手の参天製薬にとってインド進出検討の動機として十分である
「フィット」のようなホンダを代表するベストセラー車種も、コストコンシャスなインド市場ではその力を失ってしまう
インドに現在いる1500万人の乗用車オーナーのうち、1000万人が「今乗っているクルマよりも、上位車種へ買い換えたい」と望んでいる
ステイタス向上を望む買い換え客を惹きつけ、かつ現実に購入してもらうには「ボリュームゾーンより微妙にプレミアム」である必要がある
◆税制上の小型車=4メートル未満
低価格実現の鍵は「現地調達率の向上」
イベントによるパブリシティ戦略はインド人の気質によく合っている
インド人は、「インド人としての好み、感性」を持っていると同時に、「欧米志向」を強く持っている。「欧米で認知されているグローバルブランド」というメッセージを伝えるべきである
インドでクルマを買う層というのは、ちょっとした成功者である。その成功者である彼らにとって「世界最安車ナノという製品を所有することによって、他人にどういう風にみえるか」が問題なのである
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『インドでつくる!売る!』須貝信一・著 実業之日本社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408110418
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◆目次◆
第1章 インド進出環境と進出計画
第2章 インド市場と製品投入の戦略
第3章 インド市場と販売戦略
第4章 製品とブランド開発の失敗事例に学ぶ
第5章 生産と開発の現地化
終章 日系企業インド進出の展望
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