2014年3月11日

『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』 江上隆夫・著 vol.3521

【バカ売れ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797373288

マーケティング関係の良書が続きます。

本日の一冊は、無印良品の成功の秘訣を、ブランド・コンサルタントの江上隆夫氏が論じた一冊。

著者は、20年近く大手広告代理店でコピーライター及びクリエイティブ・ディレクターとして活躍した人物です。

本書で取り上げられている無印良品、確かに言われてみれば、おかしいところが一つあります。

それは、無印良品が一見「ブランド拡張」をしているのに、ブランドが疲弊せず、むしろ発展している点。

その理由を、著者はこう説明しています。

<無印の取扱品目は7000点以上もあります。それもジャンルも用途もバラバラです。なぜ、無印良品のブランド力は落ちないのでしょうか? それは、売っているのが「たったひとつの商品」だからです。彼らは、それを「感じの良いくらし」と表現しています。私なりに翻訳すれば「ほど良い美意識のある生活」でしょうか>

<「これがいい」ではなく「これでいい」。たった一文字の違いですが、この「で」は、私たちの消費社会に対する高度な批評になっているばかりでなく、無印良品が設立以来、突き詰めてきたコンセプトのエッセンスが示されています>

なるほど。なぜこの時代に無印良品が繁栄しているのか、その理由がわかる説明ですね。

本書には他にも、コンセプトが秀逸で成功した企業の例がたくさん出てきて、「コンセプト」を学ぶのにピッタリの一冊です。

無印良品、AKB48、スターバックス、タニタ、ポルシェ、とらや…。

今どき成功している企業の「秘密」を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

経営者、マーケターにおすすめの一冊です。

———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–

「すべてある」は「肝心なものがない」に等しいのです。無印良品はビジネスの常識ではあり得ない業態です。しかし、お店にはお客様が詰めかけています

無印良品の食品部門でもっとも売れている商品をご存じでしょうか。レトルトの「素材を生かしたカレー バターチキン」です。この商品、一人前で294円もします(中略)価格帯で見ると“バターチキン”も含め、無印良品のレトルトカレーは高級品と言っても差し支えありません。それでも“バターチキン”は、1年で170万食を売る大ヒットになっています

“1000曲をポケットに”。たった、これだけの言葉から始まった動きが「音楽の消費の仕方」ひいては「音楽産業の構造」まで変えてしまった

前提条件やルールが変わると、それまで一生懸命学び、身につけてきた「型」は無力化されてしまいます

◆富士フイルムが新たなビジネスの種を探すためにチェックした3つのこと
「やれそうか(技術はあるのか)」
「やるべきか(市場で勝てるか)」
「やりたいのか(会社の使命か)」

無印の取扱品目は7000点以上もあります。それもジャンルも用途もバラバラです。なぜ、無印良品のブランド力は落ちないのでしょうか? それは、売っているのが「たったひとつの商品」だからです。彼らは、それを「感じの良いくらし」と表現しています。私なりに翻訳すれば「ほど良い美意識のある生活」でしょうか

「これがいい」ではなく「これでいい」。たった一文字の違いですが、この「で」は、私たちの消費社会に対する高度な批評になっているばかりでなく、無印良品が設立以来、突き詰めてきたコンセプトのエッセンスが示されています

貫かなければいけないのは次の3つです。「現在地」「資産」「戦略」

タニタは体重計のメーカーでした(中略)しかし、体重をはかる意味合いを掘り下げていった結果、人が体重をはかるのは何よりも健康のためだという見方にたどり着きます。そして「健康」というキーワードで自分の会社を見直すと、すべてが人間の健康のためにある製品であり、技術であることに気づいたのです

「なぜ私たちが、それを、やらねばならないのだろう?」
どんな価値観で、どういう必要があって取り組むのか。自分たちが行わなければならない「必然性」を考えてみてください

————————————————

『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』江上隆夫・著 SBクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797373288

————————————————-

◆目次◆

プロローグ 無印良品はコンセプトがすごい
Part1 知る
第一章 なぜ私たち日本人はコンセプトを使いこなせないのか
第二章 コンセプトと失ったものを取り戻す方法
第三章 コンセプトをつくる前に知っておくべき7つのこと
Part2 つくる
第四章 現在地を把握して、資産の棚卸をする
第五章 最高のコンセプトのつくり方
Part3 使う
第六章 コンセプトの使い方
あとがき

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー