【稲盛和夫の経営アドバイス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319110
本日の一冊は、京セラを創業し、日本航空の再生にも成功した希代の経営者、稲盛和夫氏による「経営問答」。
氏が塾長を務める「盛和塾」で、若手経営者から寄せられた質問をもとに、氏が経営の要諦を伝えています。
従業員優先の姿勢、大義を掲げることの意味、経営者マインドを育てるための情報公開…。
いずれも「どこかで聞いた話」ではあるのですが、経営者はなかなか素直に実行できないもの。
そこを、ベテラン経営者である著者が、経営者の気持ちを汲みつつアドバイスしてくれる、じつに読み応えのある一冊です。
・支店組織をとっているが、なかなか経営者意識を醸成できない
・採算に対する意識が希薄なのを、どう変えるか
・現業の発展を目指すべきか、新規事業への転換を図るべきか
・飽和市場で生き残るには
塾生からの相談内容は、多岐にわたり、それぞれが具体的な悩みであるため、自ずと著者のアドバイスも具体的にならざるを得ません。
ちょっとしたケーススタディ集のようで、興味深く読み進めることができました。
なお、個人的に参考になったのは、以下の部分。
<厳しい経営環境で利益率の薄いものをやっていく場合には、税理士や会計士につくってもらった一般の損益計算書では区分が大きすぎます。電気代ひとつをとっても、工場の電気代、オフィスの電気代と細かく分けて見ていくことが必要です>
経営者が数字を詳細に見て現状を把握すること。その大切さを、改めて教えていただいた気がしました。
ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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経営者は、こういう人たちをつくらなければならないのです。社長であるあなたに惚れ込み、どこまでもついてきてくれる人たちをつくり、彼らを幸せにしていかなければならないのです。これが、企業経営者の努めです。では、従業員に心底惚れてもらうためには、どうすればいいのでしょうか。簡単なことです。己ばかりを愛していたのでは、誰も惚れてくれません。己を空しくして、自己犠牲を払い、従業員のことを再優先に考えるのです。そうしてあげるから、皆、惚れ込んでくれるのです
単に「乳鉢でこの粉とこの粉をすり合わせなさい」としてしまえば、何のモチベーションも湧いてこないでしょう。ですから、「その粉を混ぜるという行為がどれくらい意義あることなのか」ということを諄々と説いたのです
この大義というものが、人を動かす大きな力を持っている
厳しい経営環境で利益率の薄いものをやっていく場合には、税理士や会計士につくってもらった一般の損益計算書では区分が大きすぎます。電気代ひとつをとっても、工場の電気代、オフィスの電気代と細かく分けて見ていくことが必要です
経営の実態を知らせないで、責任を持てと言っても、それはできません。経営の実態を社員みんなに公開する「ガラス張りの経営」は、全員に責任を持ってもらうためにするのです
将棋でいえば、「金」のような駒が欲しいと思っていましたが、中小企業にそのような人は、そういるわけがありません。それならば「歩」でもいい。歩を打って敵陣に入れば「成金」になって強くなります
本当に頼りになるのは黙々と頑張る人
多角化する、すなわち新事業を立ち上げる場合は、自分の得意技を使って展開することが重要です。決して「飛び石」を打ってはなりません
大きくなりそうだからといって自分で取り組もうとするのではなく、逆に相手の力を借りて、それに乗っかっていくのです
自分が取られまいとするから、相手に取られるのです。逆に、私の技術を皆さんにも差し上げますというきれいな心で言えば、先方も無下にはしないはずです
自信がないのなら上場はやめる
取引先に株を持ってもらうのはいいけれども、取引先との関係は決して永久的なものではありません
利己的な人が会社をつくれば、利己的な会社ができる
法律から逸脱した行為をする人がいるから業界が乱れていく
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『従業員をやる気にさせる7つのカギ』稲盛和夫・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319110
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◆目次◆
第1章 経営の原点に立ち返る────従業員をやる気にさせる7つの要諦
第2章 経営者マインドを育てる
第3章 常に先を読み、強みを磨く
第4章 理念を貫く
第5章 人を育て、未来をつくる
第6章 自らを高め、正しきを貫く
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