【注目】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048919830
本日の一冊は、タイトル通り、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』。
STORYS.JPで60万人が感動した実話の完全版、ということで、ネットを中心に話題が広がり、ベストセラーとなっている一冊です。
著者は、名古屋で「青藍義塾」という個別指導塾を経営している人物で、本書には、「聖徳太子」すらまともに読めなかった偏差値30の金髪ギャルが、慶應大学に受かるまでのエピソード、そして著者の指導法が綴られています。
冒頭に、「ダメな人間なんていないんです。ただ、ダメな指導者がいるだけなんです」とあるように、本書は端的に言えば、指導者のための指導法の本。
題材は大学受験の話ですが、紹介されている心理原則や指導法は、ビジネスにおいても使える内容です。
<教師や親が「本気で」期待した場合、子どもは無意識のうちにそれに応える>という「ピグマリオン効果」、モチベーションを高める「臨在性」(まさにそこにある)と「迫真性」(まさにいま、自分がやらなきゃいけない)の話など、役に立つ話が満載で、巻末には使える心理テクニックがまとめられています。
また、何かの勉強をしている方には、ノートの取り方や暗記方法、教材の選び方が参考になるでしょう。
偏差値30の「さやかちゃん」が、どうやって勉強に目覚め、慶應大学に合格したかは、感動のエピソード(ネタっぽいところもある)を読んでいただくとして、注目したいのは、著者の生徒を見る視点。
できているところに目を向け、やる気を削がず一歩一歩着実に進めて行く。途中のメンタルケアも見事で、じつに参考になりました。
表紙や話題性に惑わされず、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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心理学に「ピグマリオン効果」という言葉があるのです。これは、教師や親が「本気で」期待した場合、子どもは無意識のうちにそれに応えるという効果のことです
どのような課題の与え方をしたら、孤独の中でもモチベーションを保てるのでしょうか。実は、各人の実力に合わせて、◯が6割、Xが4割になるような課題をこなすと良いのです
「臨在性」(まさにそこにある)
「迫真性」(まさにいま、自分がやらなきゃいけない)
暗記に際して、昔ながらのやり方である「何回も書く」のは大間違いです。何度も書くと、脳は「1回1回の記述は大切ではない」と認識します
「ホールド法」は、一度覚えようと集中した後で、15秒~30秒、ぼーっとして、何も考えないようにしてから、思い出そうとする方法
「ステップ法」とは、次のような暗記法です。まず、1を集中して覚えたら、次は2を覚えます。次に、1、2の記憶内容を目をつぶって「声に出し」ます。言えたら、3を覚えます。次に、1、2、3の記憶内容を目をつぶって「声に出し」て復唱します。次は4を覚え、1、2、3、4を目をつぶって「声に出し」ます。そして最後に「声に出し」ながら、一度だけ書きます。その後、答え合わせをします。これらをすらすらできるようになるまでくり返すと記憶に定着しやすくなります
途中で目標を下げると、人間、どんどん低いほうへ低いほうへ流れていくものなのです
「そっか。受かりそうなんだよね、私、慶應に」そう言って表情をやわらげた彼女が、ボロボロになった英和辞書を差し出します。「先生、この辞書に、サインと何か一言をお願いします」そこで僕は、筆記体で自分の名前を辞書の裏表紙にサインしました。そして、一瞬ペンを止めて、思案した後、英語で一文を書きました。Where there is a will, there is a way.(意志のあるところに、道は開ける)
「やればできる」という言葉を多用すると、相手の「やる気がなくなる」のです。なぜなら、本人の中に本当に「やればできる」という確証がない状態でものごとをやってみて、もしもできなかったら、それは「自分の能力がないことを証明することになる」からです
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『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』坪田信貴・著 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048919830
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◆目次◆
第一章 金髪ギャルさやかちゃんとの出会い
第二章 どん底の家庭事情、批判にさらされた母の信念
第三章 始まった受験勉強、続出する珍回答
第四章 さやかちゃんを導いた心理学テクニックと教育メソッド
第五章 見えてきた高い壁──「やっぱり慶應は無理なんじゃないかな」
第六章 偏差値30だったギャル、いよいよ慶應受験へ
第七章 合格発表と、つながった家族
あとがき
さやかちゃんからの手紙
巻末付録 坪田式人材育成のためのテクニック
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