【なぜ若者はミニバンに乗ってイオンに行くのか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498336X
以前、義母に頼まれて、とあるネックレスを探していた時のこと。
メーカーに問い合わせたら、「イオンレイクタウンにあります」とのことで、わざわざ越谷のレイクタウンまで車を走らせて行ってきました。
驚いたのは、その渋滞ぶりと、商業施設の巨大さ。土井が訪れた時は、中央広場でキャデラックが車の展示会をし、さまざまなショーが行われるなど、恐ろしいほどの活況を呈していました。
後で調べたところ、ここはディズニーシーの約2倍、年間5000万人の集客数を誇る、日本最大級のショッピングモールとのことで、偶然とはいえ、現在の消費の最先端を見ることができました。
その時、疑問に思ったことは、大きく分けて2点。
「なぜ、若者はショッピングモールに集まるのか?」という点と、「なぜ、ミニバンに乗るのか?」という点です。
じつはこれは1年前、車に乗り始めた頃からわかっていたことなのですが、いわゆる高級車に乗る人間は、土井よりも年上が多い。(最低でも40代半ば以上)
一方で、若者はみな、ミニバンに好んで乗っているのです。
この理由を探していたところ、辿り着いたのが本日ご紹介する一冊。
「さとり世代」などの流行語を生み出した博報堂ブランドデザイン若者研究所のリーダーが、若者世代(マイルドヤンキー)の消費性向を明らかにした一冊です。
本書によると、現在の若者世代は、地元志向が強く、親しい友達をもてなすことのできるミニバンが大好き。彼らにとってイオンは何でもある「夢の国」であり、アニメは『化物語』『涼宮ハルヒの憂鬱』『進撃の巨人』『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』などを好んで観ているんだそうです。
「嘘」「遅刻」「ドタキャン」「空気が読めないこと」を嫌い、意外に子煩悩。本書では、そんな「マイルドヤンキー」世代に受け入れられそうなサービスを、著者らが大胆に提案しています。
・親子おそろいの「ニコイチ・サンコイチ高級ブランド」
・ハロウィン用の仮装グッズやパーティプラン
・高級外車のカーシェアリング
・ワンストップ型の口座管理サービス
調査人数こそ少ないものの、徹底議論した末の提案が書かれており、一読に値する内容です。
ぜひ読んでみてください。
———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–
中学校時代などの少人数の地元友達とつるむ、といった点は昔のヤンキーと同じですが、ぱっと見では、今どきの普通の若者と大差がありません。地元のファミレスや居酒屋や仲間の家でダラダラ過ごすのが大好きです。しかし、内心ではEXILEの放つ多少のヤンキー性には憧れを持っていたりするのです
マイルドヤンキーの彼らは、「地元を出たくても出られない」のではなく、「絶対に地元を出たくない」
彼らは、大人数が快適に乗車することのできるミニバンを好みます。高級志向はあっても、それは車のスピードやブランド感ではなく、広さや快適さに向かっています。なぜなら、自分の大切な地元友達や家族に示すことができるホスピタリティの方が、彼らにとっては大事だからです
彼らの多くは、郷土としての地元が好きなわけでは決してありません。地元の友達が好きだったり、地元友達と駅前のファミレスやカラオケに行くことや、休日はイオンなどの大型ショッピングモールで一緒に買い物するのが好きといった、中学生時代と地続きの「居心地の良い」生活をキープしたいだけなのです
面白かったのは、よく飲む酒の種類という設問に対して、まったく別の地域にいる別の人が、同じように「鏡月(韓国焼酎)のお茶割り」と答えたことです。居酒屋で焼酎をボトル1本頼んでおけば、飲みたい人はたくさん飲めますし、飲まない人は手を付けない、もしくは薄く割って飲めるから、とのことです
車は「大きければ大きいほどいい」
「嘘」「約束破棄」「遅刻」「ドタキャン」「空気が読めないこと」は、マイルドヤンキーにとって最大の悪行
車と違って電車内は公共の場所です。視界は見知らぬ他人で埋めつくされており、空間を親しい友人同士だけで専有することはできません。マイルドヤンキーにとってそれは耐え難いものであり、電車のなかではリラックスすることができないのです
「自分が好きなブランドを子供にも着せておそろいにしたい」
「周囲に恥ずかしくない服を着せたい」
マイルドヤンキーに受け入れられそうなビジネス
・親子おそろいの「ニコイチ・サンコイチ高級ブランド」
・車の高級チャイルドシート
・ハロウィン用の仮装グッズやパーティプラン
・高級外車のカーシェアリング
・ワンストップ型の口座管理サービス
————————————————
『ヤンキー経済』原田曜平・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498336X
————————————————-
◆目次◆
序章 マイルド化するヤンキー
第2章 マイルドヤンキーの成立
第3章 ヤンキー135人徹底調査
第4章 これからの消費の主役に何を売るのか
特別収録 東京都北区の残存ヤンキーに聞く
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。