【財務体質を改善する方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478025312
本日の一冊は、大手会計事務所の経営幹部を経て、中小企業に特化した財務コンサルティングを提供する著者が、財務体質改善のヒントを提示した一冊。
タイトルは「黒字の教科書」となっていますが、実際の内容は、「キャッシュフローと自己資本比率改善の教科書」です。
公認会計士や税理士が書いた、一般的な会計の本と違って、社長の心理にまで深く入り込んだ内容が特徴。
なぜ社長がキャッシュフロー重視の経営を実現できないのか、ホンネにまで切り込んで、具体的にアドバイスをしています。サラリーマンの方にとっては、経営者のホンネを知る、良い機会となるのではないでしょうか。
本書の冒頭には、社長力判定テストというのがあるのですが、これがなかなか面白い。
一部、質問を引用してみましょう。
Q1.会社にお金を貯めたいなら、あらゆる節税をするべきである
Q2.売上さえ上がっていれば、会社は倒産しない
Q8.飲みに行く時は、領収書を必ずもらう
Q9.売上シェアが8割を超える得意先があるのは、良いことだ
Q10.銀行からは借りられるうちに、借りられるだけ借りたほうが良い
じつはこれ、すべて「いいえ」が正解。
しかしながら、実際の経営では、逆をやっている会社が多いものです。
本書では、キャッシュフロー経営実現の妨げとなるこれらの理由を解説し、どうすれば財務体質が改善するか、数字の管理から節税法、支払い条件、人事考課にまで踏み込んで解説しています。
オーソドックスな内容ですが、財務体質改善のヒントに、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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現在、中小企業では年間800万円以下の交際費については全額、損金への算入が認められています。しかし、これは税務上の制度であって、その枠を自社の財務体質を無視して、フル活用してもよいというわけではありません
実際に業務で必要なものであれば構わないのですが、節税が目的化してしまうのは良くない傾向です
3期連続赤字ということは、事業自体が賞味期限を迎えているということ
「必要だ!」と実感し、売上や利益、自社の生産性向上に貢献する(投資以上の効果が得られる)ということを事前に検証できて初めて買う
中小企業の場合は、法人税・地方税、源泉所得税・住民税の納付はもちろんのことですが、一番のネックは消費税の納付です。手元資金に余裕がない段階では極力、この消費税の納付資金を専用口座に資金移動しておくことをお勧めしています
収益率、資本効率、資本回転率の三つの率を高める
いかなる設備投資も、投資に対する回収を意識することが重要
納税こそが、会社にお金を貯める最善・最短の道
人事考課項目に財務指標を組み込む
・売上高よりも限界利益、限界利益よりも貢献利益で評価する
・売掛金回収額、売掛金回収率、売掛金平均回収日数を評価する
◆目標売上高の算出方法;
1.最初に会社としての目標当期純利益を設定する
2.目標当期純利益から逆算して、目標経常利益を設定する
3.目標経常利益に固定費を足して、目標限界利益を設定する
4.目標限界利益を目標限界利益率(=1-変動費率)で割っ
て目標売上高を算出する
◆「削るべき経費」の例 ※一部紹介
・業績の有無に関係なく支給される賞与(業績連動の基準を明確にする)
・売上に影響を及ぼさない経費(地代家賃、駐車場代等)
・社内の利用頻度が低い経費(不要な福利厚生制度等)
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『社長のための黒字の教科書』森岡寛・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478025312
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◆目次◆
はじめに
第1章 あなたの会社が儲からない17の理由
第2章 なぜ、売上ではなく利益とキャッシュフローが大事なのか?
第3章 なぜ、節税ではなく納税が大事なのか?
第4章 こうすれば儲かる会社に変わる! 経営者の心構え編
第5章 こうすれば儲かる会社に変わる! 損益管理編
第6章 こうすれば儲かる会社に変わる! 資金管理編
第7章 中小企業が目指すべき財務マネジメントのゴール
終章 大企業・中小企業の財務改善の事例編
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