【意思決定力を鍛える分析手法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534044194
本日の一冊は、これまでに仕事で市場調査、量販店への販売促進、需要予測などを行い、2006年にビジネス数学検定を立ち上げた定量分析のプロが、ビジネスで必要な定量分析の知識をまとめた入門書。
分析手法を学び、意思決定力を鍛えたいと願う人には、絶好の教科書と言えるでしょう。
紹介されているのは、意思決定のフレームワークとも言える「ペイオフ表」、損益分析点分析、正味現在価値(NPV)の算出方法など、各種分析手法。
意思決定の理論として、マキシミン原理、ミニマックス原理、マキシマックス原理なども紹介されており、主要な理論はこれ一冊でほぼ網羅できます。
また、採用面接で誰を選ぶべきか、外国企業からの商品注文を受けるべきか、事業拡張に伴う新プラントを建設すべきかなど、実際のビジネスシーンに合わせた活用方法もケーススタディで示されており、実践的です。
一冊通して読むと、結局、分析手法だけではだめで、経営者は最後、腹をくくるしかないんだな、と思わされるわけですが、それでも学んでおくことで明らかな間違いを防ぐ効果はあると思います。
まとまった休みにきっちり学んでマスターしたい、そんな内容です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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価格弾力性=(Q1-Q0)÷{(Q1+Q0)÷2}/(P1-P0)÷{(P1+P0)÷2}
Q0:価格変更前の販売数量、Q1:価格変更後の販売数量
P0:変更前の価格、P1:変更後の価格
商品回転率=店舗売上高/在庫金額
安全余裕度(%)=(実際の売上高-損益分岐点売上高)/実際の売上高×100=100~損益分岐点比率(%)
NPV=投資が生み出すキャッシュフローの現在価値-初期投資額
ROA(%)=当期利益(純利益)/総資産×100
ROE(%)=当期利益(純利益)/自己資本(株主資本)×100
損益分岐点売上高=固定費/(1-変動比率)
埋没費用はもはや回収不能である。埋没費用は積極的に忘れて、これからの意思決定に専念すべきである
投入できる資源の1単位の追加で増加する利益(限界効率)に注目して選択する方法を追加利益法(限界効率法)と呼ぶ。この方法は、選択案のどれか1つの案を選ぶタイプに適用できる
ペイオフが利得ではなく「損失」の場合は、各行動案の中で”最大の損失”を求め、その中で”最小の損失”を実現する行動案を選択する。このような場合は「ミニマックス原理」という
機会費用は金銭の支出を直接伴わない費用や、費用に換算するには困難なものも含まれることがあるが、意思決定の際はできるだけ考慮したほうがよい
過去に払った手付金はもはや戻ってこない。きれいさっぱり忘れて、これから払わなければならない金額だけを考えてみよう
人員増強による効率は一様ではない
「DCF法」は、プロジェクトの途中で予期せぬ事態が発生する可能性があっても、一度意思決定をした後は、その時に想定したシナリオでプロジェクトが遂行される
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『ビジネスで使いこなす入門定量分析』中村力・著
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◆目次◆
第1章 ビジネスシーンで求められる「意思決定力」とは
第2章 「定量分析」を用いた意思決定はこうする
第3章 <ケーススタディ1>確実性が高い時の「定量分析による意思決定」
第4章 <ケーススタディ2>リスクがある時の「定量分析による意思決定」
第5章 <ケーススタディ3>不確実性な時の「定量分析による意思決定」
第6章 定量分析とビジネス数学の関係
Column フェルミ推定とは
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