【4000人が著者?2007年Amazon.comベストビジネス書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486276035X
本日の一冊は、P&Gが採用し、成功したことで話題となった「クラウドソーシング」(=従来は社員によってなされてきた仕事を、インターネット上の多数の人々にゆだねるもの)について述べた一冊。
2007年に、米Amazon.comのベストビジネス書に選ばれた一冊で、当のアマゾンの事例に始まり、P&G、ヴァージン・モバイルなど、さまざまな企業の「クラウドソーシング」活用事例が紹介されています。
自らが20億ドルかけてつくった膨大なデータベースを公開し、ウェブサービスを開始したアマゾン、そのアマゾンが抱えている10万人のTurkワーカー、コマーシャルを見たりテキスト・メッセージを読んだりした後に調査アンケートに記入すると、最高75分の無料利用時間がもらえるヴァージン・モバイルのサービス…。
これまでの考え方ではおよそ理解できないような新たな試みが世界的に行われており、そこからさまざまなチャンス、成果が生まれているということがよくわかります。
なかでも土井が注目したのは、お客様を巻き込むことで生まれる口コミの効果。
楽天にとって一番の上客は楽天でアフィリエイトをやっている人、という話があるように、仕事でコミットした人は、購買や口コミにつながる可能性が高い、ということです。
ほかにも、これからのマーケティング手法として注目したいアイデアが連発。
経営者、マーケターは必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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聡明なリーダーたちは気づいている。ソーシャル・ネットワーキングという言葉に関して意義深いのは、「ワーキング(動いている・役に立つ)」のほうだ、と
◆クラウドソーシング
従来は社員によってなされてきた仕事を、インターネット上の多数の人々にゆだねるもの
優に89パーセントを超える企業が、ポッドキャストやウィキ、ブログ、ソーシャル・ネットワーキングなど、およそ企業の商売道具とは思えないものを含めた6つのテクノロジーの少なくとも1つを使って、集団的知性を求めていることが明らかになった
最初の10年のあいだ、アマゾンは20億ドルを投資して、価格をはじめ売上、顧客、書評、在庫状況など独自情報の膨大なデータベースをつくったが、誰にも見せることはなかった。ところが2004年に、ベゾスは上級管理職チームに斬新な質問を投げかけた。貴重なデータベースを公開し、誰もが使えるようにしたらどうなるだろうか、と
現在、アマゾンには、Turkワーカーと呼ばれる働き手が、100を超える国に10万人以上いる
ヴァージン・モバイルの顧客なら誰でも、自分の携帯電話で30秒間のコマーシャルを見たりテキスト・メッセージを読んだりした後に調査アンケートに記入すると、最高75分の無料利用時間がもらえる
クラウドに満足を与えることによって、思わぬ恩恵がヴァージン・モバイルにもたらされている。口コミである
多くの企業がコスト削減の重圧にさらされ、電話サポートに対して相当な料金を客に請求するようになってきている
ヴォーカルポイントのCEO、スティーブ・ノックスは述べている。
「信頼している友人の『この商品はすばらしい』というひとことほど、販売手段として強力なものはないのです」
◆クラウドソーシング成功の8つのガイドライン
1.裏方に徹する
2.立ち入る時機を知る
3.本物のコミュニティをつくる
4.秘密をつくらない
5.「完璧」であることを忘れる
6.場をかき回す
7.感謝を示す
8.先を見据える
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『クラウドソーシング』バリー・リバート、ジョン・スペクター・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486276035X
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◆目次◆
はじめに
本書の軌跡
01 未来のトレンド――クラウドソーシング
02 製品開発――アイデアはクラウドの中にある
03 顧客サービス――究極のセルフサービス
04 マーケティング――自分自身を売り込め
05 コンテンツ開発――クラウドの情熱が成功のカギ
06 資金調達――ソーシャルレンディング
07 マネジメント――クラウドに戦略的決定ができるのか
08 クラウドソーシング成功の8つのガイドライン
終わりに
謝辞
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