2008年7月22日

『なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?』夏川賀央・著

【「効率」重視はじつはムダ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757214987

突然ですが、弊社エリエス・ブック・コンサルティングの「行動規範」第6条には、こんなことが書かれています。

「効率より効果を重んじよ――百の駄作より一つの名作」

これは、コンテンツビジネスで勝利するための基本的な心構えだと思うのですが、最近はどのビジネスでもマーケットが供給過多になってきて、ありとあらゆるビジネスで仕事の「質」が問われています。

しかしながら、ビジネスパーソンは仕事に追われるあまり、「効率」を重視して、「効果」の部分をあまり考えていません。

その最たる例が、「本日の一冊」の冒頭にも書かれている年賀状です。

著者いわく、「年賀状を『定期的に、相手に自分の顔を思い出してもらうためのツール』と考えれば、受け取って記憶にすら残らないものを出すことに意味はありません」。

そう、すべての仕事は、「効率」ではなく「目的を達成できるか否か」で評価されるべきなのです。だから、時には無駄を受け入れることも必要なのです。

本書の著者は、大手出版社を経て独立。会社経営のかたわら、人材プロデューサーとして活躍する人物で、本書にはそんな著者の「効果的な」仕事術が紹介されています。

相手にメッセージを届けるためにあえて手書きを採用する、長い通勤時間をポジティブにとらえる、原稿の締め切り直前にアポイントを入れる…。

具体的かつ今すぐできそうなアクションがいくつも示されていて、現在の仕事のやり方を見直すいいきっかけになる本です。

仕事を「効率」から「効果」そして「成果」にシフトするために、今すぐ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「効率をよくしよう」とだけ考えている人は、いまの仕事の仕組み
や、仕事への固定観念から抜け出せない(中略)抜本的に改革する
ためには、少しだけ勇気を出す必要があります。それは、”非効率
の世界”に一歩踏み出してみる、という勇気です

”非効率な行動をどれだけ効率的にやるか”のほうが、ずっと重要

”非効率”を多く選んだ人の強みとは、何なのでしょう? 一言で
いえば、それは”多くのことに対処できる”ということだと思う

サラリーマン経験を多く積んだアナウンサーさんの場合を考えてみ
てください。この人はもともと人事や渉外の仕事をやってきた人で
した。だから「人と人との調整がうまくできる」という長所を持っ
ていたため、”多くの個性的な人が登場する番組で、場を上手にコ
ントロールできる”ということで重用されるようになっているのです

”非効率”を受け入れることが、多くの利益を生み出すこともある

”効率的に回転しているルーチン”から飛び出してみる

「あなたを今いる場所へと導いた思考レベルでは、あなたが夢見る
場所へたどりつくことはできない」(アインシュタイン)

仕事ができる人に限って、ベストセラーを必ず読んでいたり、流行
語をよく知っていたり、人気のある店を必ずのぞいてみたりと、実
は幅広い”仕事と関係なさそうな知識”をいっぱい持っていたりします

難しいのは、「何の仕事が重要か」という根本的なことにあります

「目的にとって」でなく、「自分にとってのムダ」を削る

「超優良企業に共通して見られる驚くべき特徴は、厳格に従わねば
ならない命令系統といったものが、どの企業にも見出せないこと」
(『エクセレント・カンパニー』の一節)

”気づき”を得るには「ムダ」を通すしかない

何でもやってみること、が一番大事

リターンを考えると、”将来への種まき”はできない

「新しい出会い」ばかりを求める人より、「いつもの出会い」を大
事にできる人のほうが、結果的にはたくさんの「出会い」を呼び込
むことができる

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『なぜ、仕事ができる人は「効率」を無視するのか?』夏川賀央・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757214987
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◆目次◆

はじめに
第1章 仕事ができる人ほど”ムダ”が多い
第2章 あえて「時間がかかるやり方」を選ぶ
第3章 ”ムダ”を生かしてスピードを上げる
第4章 ”ムダ”が”想定外”のアイディアをつくる
第5章 ”目先の利益”より”将来への種をまく”
第6章 目標には、寄り道しながら進め!
あとがき

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