http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883352900
本日の一冊は、「明日があるさ」「フジカラーのお店」「宇宙人ジョーンズ」「こども店長」「エネゴリくん」など、数々のヒットCMを企画してきた著者が、一発当てるためのヒントを示した一冊。
著者の若い頃の苦い経験や成功体験から、若いクリエイターにアドバイスをするわけですが、のっけからこんな感じです。
<もし、若いクリエイターの方が、あんまり仕事がうまくいってないとしたら、それは本当はありもしない「自分らしさ」という幻想にとりつかれているからではないですか、と言ってみたい>
もともとが連載だからというのもありますが、全体的にゆる~い文章で、その合間にアドバイスが入っている感じです。
いくつか、ヒントがあったので、紹介しておきましょう。
<「お店を舞台にすると、十五秒間ずっと商品のことを言っていても不自然じゃない」>
これは、樹木希林さんが登場した人気CM、「フジカラーのお店」のことですが、著者はこの手法を、トヨタ自動車の「こども店長」でも使い、ヒットを飛ばしています。
ほかにもノウハウが満載で、これ一冊でデキるクリエイターの技術のエッセンスを盗むことができます。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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もし、若いクリエイターの方が、あんまり仕事がうまくいってないとしたら、それは本当はありもしない「自分らしさ」という幻想にとりつかれているからではないですか、と言ってみたい
「あー、企画って、とんちがきいていなくてもいいんだ」
「お店を舞台にすると、十五秒間ずっと商品のことを言っていても不自然じゃない」という発想は、その後、トヨタ自動車の「こども店長」シリーズでも、生かされることになりました
私が子供の頃抱いていた、「テレビには特別な美男美女しか出てこないから、自分とは関係ない」という思い。そういう思いを持っている人が私以外にも少なからずいたからこそ、ごく普通の女の子たちである、おニャン子クラブが登場し、現在のAKB48につながってるんでしょうね
最初はなじめなかったものが、慣れていくうちに、いつのまにかものすごくなじみのあるものになってしまう、というプロセスは、テレビの中のタレントさんたちと私たちの間で、しばしば起こっていますよね
そもそも、自分の子供が出場しない運動会を見に行く人はいないことでもわかりますが、自分とカンケイない人が何かやったり言ったりしていても、あまり人は関心を持たない
電信柱の陰というのは、面積がとてもせまいですので、基本的には、一人しか入れないスペースです。ですから、たいていの時間を、一人で過ごすことになる
何となく覚えているのは、まず最初に、BOSSの最大の魅力は、BOSSという名前なんじゃないか、と考えたことです
…これらの宇宙人の感想は、私が宇宙人になったつもりになって悩んだあげくひねり出した、というよりは、たぶん自分が工場で働いたり、ディスカウントストアに勤めたりしていたら、こういう風に思っていただろうな、ということをわりと素直に書いている感じなんですね
普通、CMって、結果が出ないとすぐ打ち切りになってしまうものなのですが、「このシリーズでいったんやろうと決めたからには、しばらくやり続けよう」と、サントリーさんが我慢してくれた
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『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』福里真一・著 宣伝会議
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883352900
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◆目次◆
第一部 電信柱の陰から見てるタイプの企画術
第一回 電信柱の陰からおずおずと語りはじめる
第二回 幼稚園では藤棚の柱の陰だった
第三回 丸坊主で入社した
第四回 「自分らしさ」にすがりついた
第五回 「自分らしさ」に出口はなかった
第六回 才能がないと決めるとラクだった
第七回 恐ろしい人と出会った
第八回 目が十個ついていた
第九回 とにかくヒットを目指していた
第十回 撮影現場で役に立たないタイプ
第十一回 「前向きアレルギー」だったのに
第十二回 「前向きアレルギー」だったから?
第十三回 「とんち」がなくても大丈夫だった
第十四回 面倒くさいことは嫌いだった
第十五回 人の言う通りにやってみた
第十六回 テレビの中の美しい人たち
第十七回 テレビの中のなじめる人たち
第十八回 「人としてエリート」ではなかった
第十九回 フツーの人だからやってみた
第二十回 人間、おさまるところにおさまる
第二十一回 自分に期待しないといいことがある
第二十二回 どんどん思いついてしまう
第二十三回 電信柱の陰が生きてきた!
第二十四回 (連載最終回)電信柱の陰にすごすごと引っ込む
第二十五回 もう一度電信柱の陰から出てきて語る~ロングインタビュー~
第二部 福里真一の企画いくつか
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