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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794215258
土井が初めて「アウトソーシング」の存在を知ったのは、近所のおもちゃ屋でした。
メーカーとブランド企業は同じ、という前提を疑っていなかった土井少年(当時、小学4年生くらい)は、ラジコンのモーターが、本当はマブチ製なのに、違うメーカーの名前で売られており、しかも名前を貸しているだけの企業が大きな利益を得ていると知って、大いにショックを受けたものです。
今や時代は変わり、アウトソースなど当たり前の時代。しかもそれが世界規模で行なわれているというから、すごいものです。
本日の一冊は、MIT産業生産性調査委員会の主要メンバーとして活躍するMITのスザンヌ・バーガー教授が、グローバル企業の成功戦略について述べた一冊。
米・日・欧・アジアの主要企業500社の徹底調査をもとに、真に有効なグローバル化戦略について、緻密に論を進めています。
もちろん、500社すべては網羅されていないものの、かなりの数のケースが掲載・分析されており、じつに読み応えがあります。
読んでいて驚くのは、賃金が10分の1以下の国に生産を移転しても、必ずしもコストダウンにつながらない、という現場からの報告。
「最終的に重要なのは、賃金率ではなく単位労働コスト」という著者らの指摘は、経営者なら重く受け止めるべきだと思います。
ほかにも、うっかり競合を作らないために、何に気をつければいいのか、真のコストを見極めるためにどう考えればいいのかなど、参考になる点が満載。
グローバル企業に限らず、企業経営や競争戦略全般を考える上でも参考になる、久しぶりに読み応えのある一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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多くの経営者たちが持つ信条とは逆に、賃金と給付のコストダウン
競争に頼った解決策は――先進国でも新興国でも――必ず行き詰まる
労働加工度が高くて必要技能が低い産業は、最もオフショアリング
傾向が強いはずだとわたしたちは推測し、繊維・衣料業界で推測ど
おりの光景を目のあたりにしたのだった
最終的に重要なのは、賃金率ではなく単位労働コスト――商品もし
くはサービス一単位を生産するのに必要な労働価値――である
イタリア人労働者は長年の経験から機械の扱いに長けており、生産
商品の切り替えにすばやく対応する能力と、問題をすぐさま検知・
修正して原材料の浪費を防ぐ能力と、機械のメンテナンスをみずか
ら行なう能力を持っている。だからこそ、賃金が一〇倍高くても、
ほとんどの商品をルーマニアより安く作れるわけだ
コモディティかどうかは、商品の種類で決まるわけではない。実際、
どんな種類の商品でもたいていは、他社にまねのできない特徴を加
えられるなら、コモディティでなくなる
過去数年で、部品が複雑化して、最終製品の性能を左右するまでになった
必ずしもブランドを持つ企業が、いちばん儲けているとはかぎらない
アメリカのエレクトロニクス企業が最近、部品専門か、製品専門か
のどちらかに分かれる傾向があるのに対して、日本では多くの企業
が今も部品と製品の両方を手がける
◆2つの教訓
1.優位性を持続させるには、とにかく自社の長所を生かすしかない
2.差別化のための距離と能力を保つには、”余剰容量”への投資
が欠かせない
日本の京都でもルーマニアのティミショアラでも、唯一無二のグロ
ーバル化対策というものは見つからなかった。代わりにわたしたち
が見たのは、自社内の長所や経験を社外の資源と組み合わせ、試行
錯誤を重ねながら新たな機会を切り開き、経済全体に広がる競争を
勝ち抜いていく生の人間の姿だった
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『グローバル企業の成功戦略』
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■目次■
第1章 誰がグローバル化を恐れるのか
第2章 MITグローバル化研究の概要
第3章 企業を分割する
第4章 新しいアメリカ・モデル
第5章 残るべきか、行くべきか
第6章 少しでも安く作る
第7章 企業戦略の起源
第8章 ブランドか、ノーブランドか
第9章 メイド・イン・アメリカ
第10章 日本企業を支える”遺産”
第11章 現場からの教訓
第12章 企業の枠を超えて
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