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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102900527
本日の一冊は、日本におけるフロイト研究の第一人者、故・小此木啓吾氏による名著。
最近は、精神の病が原因と思われる事件や犯罪が相次いでいますが、その原因と対処法を明らかにしてくれる、じつに有意義な一冊です。
じつは土井は大学時代、小此木先生の授業を受けていましたが、当時は先生のおっしゃることがよく理解できていませんでした。
今になって読むと、その意味するところの重大さがよくわかります。
やはり、古いものを紐解くのは、重要なことです。
本書では、職場や家庭で問題となる人間のパーソナリティを明らかにし、その傾向と見極め方、対処法をまとめています。
なぜ結婚するときは長所だったものが、離婚の原因になってしまうのか、なぜ日本では依存型の性格傾向が好かれるのか、なぜメディアでは大人気のスターが、プライベートでは悲惨な結末をたどるのか…。
ポピュラーな事例とともに、パーソナリティの特徴と、それが引き起こす悲劇を、わかりやすく解き明かしてくれる一冊です。
職場や家庭の人間関係改善に、ぜひ役立てていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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実は人間はだれもがいろいろな性格の側面を持っている。いくつか
の性格傾向をそなえている
特定の性格傾向ばかりが、どの場面でも、どういうときにも主役に
なってしまうと、そのパーソナリティは融通性がなくて硬直し、性
格の病ということになる
その人をうまく支える環境があったり、その人のパーソナリティの
欠点を補ってくれる世話役がそばにいる間は、その人物のパーソナ
リティの病理は表にあらわれない
日本人の場合には、「甘えの構造」と言われるように、お互いに相
互依存関係を持つことに許容度が高く、むしろ依存できない人のほ
うが不適応になる
依存型パーソナリティ障害の背景には、幼いときの心的な外傷体験
を持つ人がいる。幼いときに親に見捨てられたり、自分の居場所が
なかったり、本当に心細い、深刻な不安や見捨てられる恐怖にとり
つかれながら生まれ育った人々である。彼らはいつも人にかわいが
られることで身の安全をはかる心性が習い性となっているために、
かえってとても愛嬌のある魅惑的な人柄になることが多い
自分の中に誇大自己を持った人々がいる。そして、自分自身がこの
誇大自己の体現者になるタイプの人と、だれかに自分の誇大自己を
投影して、その人物を崇拝し、その人物に同一化してその人物の自
己愛の満足――つまり名声や、成功や、栄光にあやかることで、自
分の自己愛を満足させる側に回るタイプの人がいる。この両者の組
み合わせによってファンとスターや大衆と独裁者の組み合わせがで
き上がる
演技型パーソナリティは、世の中で暮らしていく上で人間的なパワ
ーを発揮することができる。評判もよいし、みんなに期待されるし、
華やかなスターとしてもてはやされる。しかし、弱点を挙げれば、
みんなが思うほど一人一人の人とは親密にならない
強迫的な人にとって、頭の中の観念で自分の思うとおりの完全な世
界をつくり出したり、部屋を片づけたり、整理整頓したりすること
(強迫行為)で主観の中がきちんと整理整頓されて、自分の思うと
おりに筋道がついて、計算されたとおりにコントロールされている
ことが重要
人々がこうしたマルチプルな人格状態に共感をおぼえるのは、自分
自身や周囲にも、同様の、あるいは共通の人格の多様化が起こって
いるためか、あるいは、少なくともそのような多様な自分に変身し
たいという願望が高まっているためである
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『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102900527
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■目次■
まえがき
プロローグ 性格傾向とパーソナリティ
第1章 周りの人たちを困らせる人
第2章 回避と依存――見捨てられる不安
第3章 自己愛パーソナリティと現代社会
第4章 自分のシナリオを演じる人たち
第5章 妄想的になりやすい人たち
第6章 強迫心理の光と影
第7章 攻撃性をどうあらわすか
第8章 マゾヒズムの文化とパーソナリティ
第9章 パーソナリティの病とは
エピローグ 「困った人たち」とどうかかわるか
あとがき
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