2013年5月10日

『習慣の力』チャールズ・デュヒッグ・著 Vol.3216

【悪い習慣を断ち切るすごい技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062184451

最近は、『スタンフォードの自分を変える教室』がきっかけで、「意志力」に注目が集まっています。

※参考:『スタンフォードの自分を変える教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479793631

しかしながら、本当は「意志力」だけでは自分を変えることはできません。

自分を変え、人生を変えるには、良い「習慣」を身につける必要があるのです。

本日ご紹介する一冊は、イェール大学、ハーバード・ビジネス・スクールを経て「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者となった記者が、習慣に関する最新の研究をまとめ、習慣を変える方法を述べた一冊。

Amazon.comでは読者レビューが約1000個ついているという注目作で、星の数もほぼ5つです。

それもそのはず。

本書のノウハウを使えば、あなたがこれまで克服できずにいた、やっかいな習慣がいとも簡単に改善できてしまうからです。

もちろん、他人の習慣を変えることで、ビジネスで成功することだってできてしまいます。

本書を読むまで知らなかったのですが、アメリカには世界最大級の「AA」(アルコール依存症更生会)という組織があり、これまでに1000万人ものアルコール依存患者を改善に導いてきたそうです。

専門家によれば、<AAのプログラムが効果的なのは、アルコールの習慣を助長するきっかけと報酬を自分で突き止めさせ、その後、新しい行動を見つけるのを手助けするから>。

本書にも書いていますが、<習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーチンを組み込むべき>なのです。

それがアルコールであれ、タバコであれ、ダイエットであれ、読者が何らかの習慣で悩んでいるなら、本書は「買い」です。

また、教師であれ、マーケターであれ、誰かの習慣を直すことを生業としている場合でも、事例が豊富で、大いに役立つでしょう。

ぜひ読んで、習慣のメカニズムを学習してみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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全行動の4割が習慣

クロード・ホプキンスを何より有名にしたのは、「どうすれば消費者のあいだに新しい習慣を生み出せるのか」を考案した一連のルールだ

クロード・ホプキンスが実践していた独特の広告先述の一つは、消費者がその商品を毎日使いたくなるような、単純なきっかけを見つけることだった。たとえばクエーカーオーツは「24時間働くためのエネルギーを与えてくれる」朝食用シリアルとして売り出した

◆習慣を生み出す3つのルール
1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること
2.具体的な報酬を設定すること
3.脳が報酬を期待すること

ほかのサルたちも訓練の末、モニター上の模様を見るたびにジュースを待ち望むようになっていた。そこで研究者たちはサルの気をそらそうとした。実験室のドアを開け放ち、外に出て仲間と遊べるようにした。実験室の隅には食べ物を置き、実験をやめたら食べられるようにした。習慣として定着していないサルには、それが効いた。椅子から滑り下りて、実験室から出ていき、二度と振り返らなかった。彼らはジュースを待ち望むことを学習していなかった。しかし、習慣が身についていたサル、つまり脳が報酬を期待するようになったサルは、気をそらそうとしても無駄だった。食べ物や外で出る機会が与えられても、じっと座り続け、モニターを見つめ、繰り返しレバーを押した

新しい習慣が生まれる過程はこうだ。きっかけとルーチンと報酬が結びつき、その後、欲求が生まれてループを作動させる

悪い習慣は完全には改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーチンを組み込むべきなのだ。きっかけと報酬がそのままなら、ほぼどんな行動も変えることができる──これこそがダンジーの鉄則だった。現在、この鉄則は、アルコール依存症、肥満症、強迫性障害など、数百以上もの有害な行為の治療法に影響を与えており、どんな人間でもこの鉄則を理解すれば、自分の習慣を変えるのに役立つ

親になろうとするとき、人は一番変わりやすいのだ。企業にとって、妊娠した女性は宝の山なのである
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『習慣の力』チャールズ・デュヒッグ・著 講談社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062184451

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◆目次◆

プロローグ
第1部 個人の習慣
第1章 「習慣」のメカニズム
──行動の4割を決めている仕組みの秘密
第2章 習慣を生み出す「力」
──ファブリーズが突然大ヒットした理由
第3章 習慣を変えるための鉄則
──アルコール依存症はなぜ治ったのか
第2部 成功する企業の習慣
第4章 アルコアの奇跡
──会社を復活させた、たった一つの習慣
第5章 スタバと「成功の習慣」
──問題児をリーダーに変えるメソッド
第6章 危機こそ好機
──停滞する組織をいかに変革させるか
第7章 買わせる技術
──ヒット商品を自在に生み出す秘策
第3部 社会の習慣
第8章 公民権運動の真相
──社会運動はどのようにして始まるのか
第9章 習慣の功罪
──ギャンブル依存は「意志」か「習慣」か
エピローグ
付録──アイデアを実行に移すためのガイド

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