【顧客の声はどこまで聞くべきか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761268670
先日、朝日新聞デジタルのニュースで、<社長ツイッター炎上、送料無料に 通販「ゾゾタウン」>という見出しを見つけました。
これは、ブランド衣料の通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイが、原則399円だった送料を無料にすると発表したもので、その理由は、<サイト利用者らの調査で、ネット通販に「安さ」を求める声が多かったため>だそうです。
この送料をめぐっては、同社の前沢社長が、ツイッターで送料が高いと書き込んだ人に対し、「ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ」「お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ」とつぶやき、謝罪に至った経緯があり、その辺の事情も絡んでいるのかもしれません。
しかし、社長の言葉遣いは問題としても、はたしてどこまでお客の声を聞くべきか? については、経営者は慎重にならなくてはいけません。
なぜなら、現在の「顧客絶対有利社会」で究極までお客の声を聞いてしまえば、企業は儲からなくなり、最悪、倒産してしまうこともあるからです。
そのことを指摘したのが、11/7に発売になる萌え系ビジネスストーリー『お客の心が読めるメガネ』。
著者は、2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞したことのある、販促コンサルタントの竹内謙礼氏です。
本書には、なまじお客の心を読もうとしたばかりに失敗した経営者の例がたくさん出てきます。
謎の死亡事件が次々起こり、すべての被害者が働き盛りの中高年男性。証言によると彼らはみな「黒縁の大きなメガネ」をかけていた…。そしてメガネはなぜか死んだ後、すべて現場から消えているのです。この事件の謎に挑むヤマさん、ひょんなことから「客の心の中を覗けるメガネ」を手に入れた悩める経営者のマサト、そしてそのマサトの前に現れた、謎の美少女(魔女)と憧れの起業家オダギリ…。彼らが繰り広げるストーリーが、この『お客の心が読めるメガネ』です。
はたして主人公マサトは、「客の心の中を覗けるメガネ」の誘惑に勝てるのか?
「顧客絶対有利社会」において、われわれがどう「お客様の声」と向き合えばいいのか、そのバランス感覚を教えてくれる一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ひとついいこと教えてやるよ。世の中にはな、二種類の経営者しかいないんだよ。客の声に耳を傾けて、客の望みをかなえられる経営者と、客の声を無視して、自分勝手なことしかできない経営者。このどちらかだ──」(起業家オダギリ)
「悪いことは言わないわ。客の心なんか読めてもロクなことがないから、そんなくだらないことでメガネを使うのは止めなさい」(魔女)
「今回、マサトが商品の仕入れに失敗した理由は2つあるわ。ひとつはインパクトが強い客の声を重要視し過ぎたことよ」(魔女)
「もうひとつの失敗の要因は、常連客の声に耳を傾けすぎたことよ」(魔女)
「雑誌を買ってくれる人の声よりも、雑誌を買うのを止めてしまった人の声に耳を傾けるべきだったんです。有名雑誌であれば、発行部数が数十万部ですから、分母も大きいし、読者アンケートの調査を信じてもいいと思います。でも、私たちのような発行部数が数千部程度の小さな媒体の場合、一部のファンの声を聞いてしまうと、どんどん内容がマニアックになってしまい、読者離れが加速していってしまうんです」(『ハッピーじゃーなる』)社長兼編集長の大越)
「そんなことも知らないで、リスクの高い安売りなんかしちゃダメよ。安売りはバカでもできるけど、バカが一番やっちゃいけない売り方なのよ」(魔女)
「そんな都合よく売上なんて伸びないのよ! 一度値下げした商品を、もう一度元の価格に戻して買う客なんて、どこにいるのよ! 安売りの色がついた店を、もう一度普通の店に戻すには、客を総取っ替えするぐらいの覚悟がなきゃダメなの。そうしなければ、永遠に安売りを求める客から逃がれることはできないわよ!」
「儲かるわけがないですよ。価格を下げて利益が減ったのに、商品点数が増えて在庫が増えたんですからね。それでいて忙しくなって人件費がかさみましたから、明らかに経営は悪化していきましたよ」(亡くなった農業法人経営者の息子、上田)
「刑事さん、客に嫌われないことって大事だと思いますけど、商売は儲かることの方が大事だと思うんですよ」(亡くなった農業法人経営者の息子、上田)
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『お客の心が読めるメガネ』竹内謙礼・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761268670
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◆目次◆
プロローグ
第1章 そのメガネをかけたら、どんどん売れます
「お客の声を聞け」で、売上は本当に伸びるのか?
第2章 そのメガネをかけても、売れなくなりました
どのお客の声を聞けばいいのか?
第3章 そのメガネをかけたら、お客の声が集まります
適正な「品揃え」と「価格」とは?
第4章 そのメガネをかけても、やっぱり儲かりません
クレームはどこまで受け入れればいいのか?
第5章 そのメガネをかけるのは、もうやめなさい
最高の優良顧客を生み出す技術
第6章 そのメガネは、もういりません
お客の声を聞くことよりも大切なこと
エピローグ
あとがき
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