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みなさんもご存知の通り、最近、大阪のエキスポランドでとても悲しい事故が起きてしまいました。
被害者のご遺族の方には、心よりお悔やみ申し上げます。
土井がエキスポランドの「風神雷神」に乗ったのは、大学4年の時。
今から11年前のことです。
同アトラクションは、当時、人気の乗り物で、とても輝いていただけに、非常に残念に思います。
今日は、この悲しいニュースを受けて、どうして事故が起こるのか、どうすれば事故を避けられるのか、詳しく教えてくれる本を紹介いたします。
著者の中田亨さんは、産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターの研究員で、ヒューマンエラー研究の専門家。
本書では、事故が起こる原因を、マネジメント、意思決定、コミュニケーション、しくみ、ヒューマンインターフェースなどのさまざまな視点から読み解き、解決のヒントまでを示しています。
モノクロとはいえ、写真入りで先行事例を豊富に紹介しており、各社・各団体の過去の経験から多くを学ぶことができます。
マネジメント層はもちろんですが、商品開発、エンジニアリングに携わる人にとっても、大いに参考になる一冊です。
エンジニアリングの失敗をまとめた良書『失敗百選』や、認知心理学の古典的名著『誰のためのデザイン?』、最近出された『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』と併せて読めば、さらに理解が深まると思います。
※参考:『失敗百選』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627664710
※参考:『誰のためのデザイン?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478850362X
※参考:『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479421538X
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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実際の事故を分析するには、”原因の分類”よりも、”原因の結合”
を考えるべき
決別遷移をすべてなくすこと。これは事故防止のうえでは確実な対策
やり方の問題として捉えたがる傾向は、エンジニアの人に強くあり
ます。エンジニアはうまくいく方法を考えだすのが仕事ですから、
どんな問題に対しても、一足飛びに「ならば方法を改良しよう」と
決めてかかってしまいます。これ以外にも問題の捉え方はいろいろ
あるにもかかわらずにです
問題が解けない場合は、立場の違いをなくすようにしなければなり
ません。それには、問題を”広げる”という手段しかありません。
問題に巻きこまれる人を増やし、問題解決の需要を拡大するのです
安全工学に関する本では、しばしば”ハインリッヒの法則”なるも
のが引用されます。これは、「一つの重大事故の背後には二九の軽
微な事故が存在し、さらにその背後には三〇〇の事故にいたらなか
った異常が存在する」とする経験則です
医学での”ヒポクラテスの誓い”には、「知りながら害をなすな」
とあります。自分の行為が他人へ害をなすと知ったなら、たとえ上
司の命令であってもそれを行ってはならないという倫理規定です
◆ヒューマンエラーの抑止対策 三つの方針
1.作業を行いやすくする。ヒューマンエラーの発生頻度を抑制する
2.人に異常を気づかせる。損害が出る前に事故を回避できるようにする
3.被害を抑える。小さな事故が大きな事故に発展しないようにする
◆事故を防ぐための自己客観視を促す方法 ※一部紹介
1.あえて手間を与える
2.小さな事故を起こす
6.大事なものは最後
危険な物や大切な物は、一目瞭然にそれとわかるような外観にすること
向きの違いがあるくせに、形自体で気づかせられない部品は、いつ
か必ずまちがわれるもの
ヒューマンエラーを減らすには、説明的理解が必要です。ソクラテ
スのように、生徒に自分で考えさせ、まちがいは自分で気づかせる
ことで、作業に対して正しく深く理解するようにしなければなりません
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『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』
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┃▼目次▼
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┃ まえがき
┃ 第1章 ヒューマンエラーとは何か
┃ 第2章 なぜ事故は起こるのか
┃ 第3章 ヒューマンエラー解決法
┃ 第4章 事故が起こる前に……ヒューマンエラー防止法
┃ 第5章 実践 ヒューマンエラー防止活動
┃ 第6章 あなただったらどう考えますか
┃ 第7章 学びとヒューマンエラー
┃ あとがき
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