2007年5月12日

『宋文洲の傍目八目』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822245802

本日の一冊は、東証一部上場会社、ソフトブレーンの創業者であり、ベストセラー『やっぱり変だよ日本の営業』の著者でもある宋文洲さんが、世の中の常識やニュースに対し、違う視点を提供した一冊。

※参考:『やっぱり変だよ日本の営業』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931466656

いじめ問題や格差社会、マスコミの裏側など、これまで慎重に扱われてきた問題に対しても、ズバリ切り込んでいるのが魅力のコラム集です(もともとは「日経ビジネスオンライン」の人気連載)。

本書で、著者のアンテナに引っ掛かった日々のニュースとその解釈を読んでいると、いかに日本の常識がおかしいのか、ということがよくわかります。

とくに、教育に関して、「大人が子供に”逃げる”場所と、”逃げる”方法を普段から教えていない」ことを問題視したあたりは、じつに斬新だと思います。

本書のタイトルになっている「傍目八目」とは、「当事者より第三者の方が物事の是や非を理解できる」という意味。

目の前の問題を客観視する能力を養うために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間は当事者になればなるほど、本来持っているはずの冷静さを失
ってしまい、周囲の状況が見えなくなってしまう

教育は本来その子の個性を見いだし、それに合った環境を提供し、
その才覚を伸ばすことにあります

発明家トーマス・エジソンは、お母さんから学校に行かなくてもよ
いことを教えてもらいました。今風に言えば、エジソンは登校拒否
の問題児だったかもしれません。しかし、エジソンの例をみてもお
わかりのように、一時は「問題児」であっても、最終的に社会に貢
献できる実例はいくらでもあります

立派な人間が立派なことを言うことが教育ではありません。「私は
立派、あなたはダメ。だから聞きなさい」という意識を持った瞬間、
教育は偽善になってしまいます

人は良くも悪くも、その時代と共に生きていく運命にあります。ど
うあがこうが、前の時代に逆戻りすることはできないのです

日本の常識は世界の常識です。一時的な特徴を持ちながらも日本の
文化は世界の文化の一部であり、世界とのコミュニケーションによ
って形成され、世界にも影響を与えてきました。日本の常識は、日
本の良識を支える誇るべきものです。改革とは日本の常識を否定す
るものではなく、古い慣習や歪んだ発想を正すものです

強い立場の人間に都合のよい”以心伝心”には、必ずしっぺ返しが
あります

中国の成語に「不恥下問」という言葉があります。「目下のものに
たずねることは恥ではない」という意味です。「恥の文明」は「社
会からみて恥ずかしいこと」をしないことであり、決して「自分が
恥ずかしいと思うこと」をしないことではない

「醜さ」を無視する「美しさ」は虚構であり、「美しさ」を忘れた
「醜さ」は邪悪なのです

中国には「流れない水は腐る」という諺があります。人材は適切に
流動しないとその才能が発揮できないのです

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『宋文洲の傍目八目』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 1.「教育の常識」、正しいですか?
┃ 2.「日本の常識」、正しいですか?
┃ 3.「日本と中国」問題、正しいですか?
┃ 4.「仕事の常識」、正しいですか?
┃ 5.「経済の常識」、正しいですか?
┃ 
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