2006年8月26日

『自分をもっと深く掘れ!』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837975755

本日の一冊は、大正元年に実業之日本社から出された、新渡戸稲造
著『世渡りの道』を再編集し、改題したものです。

新渡戸稲造というと、名著『武士道』が広く世界中に知られていま
すが、本書もまた、骨太で背筋の伸びる一冊です。

※参考:『武士道』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003311817

本書が読者に問いかけるのは、「人としてどう生きるか」。生きる
スタンスや社会とのかかわり、自らの才能を開花させるための心構
えまで、およそこの世に生きるすべての人に、貴重な示唆を与えて
くれる一冊です。

若干、時代的な背景が違うことによる違和感はあるにはあるのです
が、本質的な部分では、やはり納得できる内容です。

ビジネスパーソンが読んだ場合は、自己修養やマネジメントのコツ、
処世術を書いた本としても重宝するでしょう。

ひとかどの人物になろうとする人も、自分サイズの幸せを求める人
も、読んでおいて損はない一冊だと思います。

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■ 本日の赤ペンチェック
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塵の世にありながら、心まで汚されず、泥水に浮かびながらもなお
身を清く保ち、ひいては自分の周囲にある泥水をも清め、自分の周
囲を取り巻く塵を払うのが、人の人たる道だと思う

尊卑貴賎は仕事をする者の心に属することで、正しく清い心をもち、
心に欲をもたず、虚心に世を渡れば、必ず同じ志の人が現われ、あ
るいは隠れたままで我々を援助してくれる

いやしくも自らを重んじる人であれば、必ず他人を尊敬する。他人
を尊敬する念が起こらないという人は、自分の心中に大きな欠陥が
あることを自白するものである

礼節は権利ではない。権利以上のものである。だから聖人は礼節を
尊重し、法律の威力だけで世を治められない場合に、礼節の力を借
りたのである

私は、自らが正義と信じることについては、不正義と信じる他の事
柄と交換すべきものではないと思う

学問があるとか、怜悧であるとかいうことよりも、人間は強い心を
もつのが最も大切である。ずいぶん立派で、学問もあり才智もあり、
地位もあり、上流に立つ人でありながら、誘惑にかかって、一身を
辱めた者もいる。すべてこれは「否」という力のない証拠である
(著者が会ったという賢婦人の言葉)

人はとかく見込みはつけやすいが、見切りはなかなかつけがたいも
のである。うまく見切りをつける人は非凡な人である(経験に富んだ老人)

人に惜しまれることは望ましいが、自ら己を惜しむことは最も慎ま
なければならないことである

とかく人は陰で他人の悪口を言いたがるが、面前で言うのをはなは
だ嫌がる。しかし、友を思う誠心誠意があるならば、陰口をたたか
ず、直接に面前で警告すべきである

多くの人は己の本分を忘れ、なすべきことを怠り、空想にふけり、
得がたきものを望み、そのためにますます悩むものである

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『自分をもっと深く掘れ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837975755
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■目次■

“ひとりよがりの生き方”をやめる
苦労が顔に出ない人の「厚み」
自分を大きくする怒り、小さくする怒り
「誠実さ」は二つとない財産
新渡戸流・人のこころを確実につかむ法
小さい自分を捨てて「本道」を行く
いい人生をつくる「感性の力」
代役のきかない人になれ
自分を磨く材料はどこにでも
自分に甘いから「泣き言」が出る
「人間学」に通じる人のこころ配り
自分でとことん満足のいく人生を

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