http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244954
本日の一冊は、かつて花王の代表取締役社長を務め、同社の大躍進
を支えた著者が、モノづくりやマネジメント、マーケティングの根
幹にある「コトづくり」の重要性を語った一冊です。
本書の要点をかいつまんで紹介すると、成功するモノづくりには、
常にモノに先立つ「コトづくり」がある。
その「コト」こそが、社員を奮い立たせ、チームの力を結集し、最
終的に顧客をも巻き込む、というわけです。
考えてみれば、すべてのモノはただモノとしてだけ存在することは
ありません。まして人間活動、企業活動に関係するモノであれば、
それはすべて「コト」をその根っこに持っているわけです。
本書では、この「コトづくり」の重要性をトップが理解し、実践す
ることが重要と説き、さらに実際に成功した企業の例を挙げています。
マン島T・Tレースの完全制覇を掲げ、社員を鼓舞したホンダや、
プリウスの開発で業界自体を動かしたトヨタ、閉園寸前から、動物
本来の生態に即した「行動展示」で奇跡の復活を遂げた旭山動物園
など、さまざまな事例を挙げながら、「コトづくり」の実際を説明
しています。
各社がつくっている「コト」の例は、すなわち従業員や顧客を喜ば
せ、やる気にさせるアイデアの宝庫です。
経営者はもちろん、現場レベルのマネジャーも、ぜひ読んでいただ
きたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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効率という視点だけを考えれば、収益性の予測できない新製品やサ
ービスの開発のために優秀な人材を配置したり、研究開発コストを
かけたりするのは、ムダなことに見えるかもしれません。しかし、
それでは、現在はよくても、その会社の将来は見えてこないのです
よく「いまは個の時代」といわれますが、個がいくら強くても集団
は強くなりません。個は全体という集団に支えられて、その強さを
発揮できるのです
よく「モノづくりは技術が肝」といわれる。しかし、技術だけでは
よいモノはできない。研究者や技術者が自分たちの仕事に夢を持ち、
情熱を燃やしてその能力をフルに発揮できるような仕組み、人を心
から燃えさせるコトづくりが基盤になければならない。「よきモノ
づくり=技術×コトづくり」なのである
祭りというコトづくりが職人たちの技と心意気を育成してきた
もし世界を客観的に見ることをやめれば、この世界がモノだけで成
り立っていないことに気が付く
ケネディがアポロ計画へのゴーサインを出し、NASAという組織
=仕掛けを用意しなかったら、月面着陸の成功はなかったに違いな
い。「人類を月に送ろう」というコトづくりが、米国の宇宙開発を
多く前進させたのである
プリウスは競合他社にも影響を与え、これからの自動車づくりの方
向の一つを世に示した。真に強いコトは、強い伝播力をもって外へ
と広がっていく
失敗を恐れるよりも、チャレンジ精神が萎縮することを心配すべき
経営の本質は新しい製品やサービスを創造することにある。その新
しい価値を創造していく源泉は社員の”知”にある
市場競争に絶対的な勝者は存在しない。また、いつ入れ替わるか、
より強い他社がいつ現れるかわからない、だから、企業の経営もい
たずらに量的拡大を目標にした消耗戦を挑むのではなく、各社はそ
れぞれにコア技術を大切にした独自の質を追求すべきだと思うのである
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『コトづくりのちから』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244954
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■目次■
第1章 コトづくりがモノづくりを導く
第2章 モノづくり経営とコトづくり
第3章 コトづくりを支える思想
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