2006年8月1日

『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244660

本日の一冊は、過去200年間における金融資産の利回りを記録・研究
し、長期投資の有効性を唱えた、ジェレミー・シーゲルの名著です。

「待望の日本語全訳」とのことですが、今回、新たに第3版で19章
「行動ファイナンスと投資の心理」が加わったのは、現在の日本の
マーケット状況を考えると、まさにベストタイミングと言えるでしょ
う。

基本的に、過去の金融商品のマーケット分析ですが、投資家が読ん
だ場合、得られるものが多分にあります。

・そもそもどの金融商品に投資するべきか、という問題
・いざ投資をするとして、どんな点に気をつければいいのかという視点
・投資のパフォーマンスを評価する際の考え方
・歴史や心理学から学ぶ、人間の行動と落とし穴

出版界では既に、「株の入門書は売れなくなった」という認識です
が、今後、投資ゲームにおいて勝者と敗者が分かれるのは必至。

今後、どういったスタンスで投資を続けるのか、あるいは降りると
して、いつ降りればいいのか、投資で悩んでいる方には、迷わず読
んでほしい一冊です。

長い歴史のなかで、人々はいかにして富を獲得し、失っていったの
か。そしてその原因は何だったのか。

ロジックと人間心理、両面で納得させられる読み応えのある一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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投資家として成功するためには忍耐が必要である

1930年代の株式相場の暴落後、投資家は老いも若きも株式市場から
資金を引き揚げ、国債や新たに政府が保証するようになった銀行預
金へ資金を移し、これが債券の利回りの低下を招いた。結果的に、
多くの投資家が第二の世界恐慌を恐れ、債券買いに走ったのだ

長期にわたりポートフォリオの購買力を維持するためには、株式に
分散投資するのが最良の方法である

インフレ率の上昇に対し無防備な通常の債券は、長期投資の対象に
は適していない

”優良株”への投資はどんなに高値であっても健全である――とい
う”新時代”の教義は、ほとんど全世界がギャンブル熱に浮かされ
てしまったことを”投資”の名のもとに正当化したにすぎない
(ベンジャミン・グラハム、デビッド・ドッド)

創造的な管理会計の手法が発達した昨今では、投資家はこれまで以
上に利益の質に注目する必要がある。利益の質が高い企業は、利益
の質が低い企業よりも株式利回りが高いという実証データもある

株式投資の魅力を認識した投資家が株価を競り上げ、結果的に投資
家は高い価格で株式を購入するため、高い利回りを得られる可能性
が低くなってしまう

過去の利回りを見れば、割安株の利回りが成長株の利回りを上回っ
ており、この傾向は小型株になるほど顕著

トンネルの先に光を見いだし、自分自身あるいは顧客にとって、逆
境にある企業の株式を購入することを正当化できる投資家は少ない

あなた自身は正しい考え方をしているのに、他人があなたの意思決
定に影響を与えてしまう

一般的にファンドのパフォーマンスが市場平均を下回ってしまうの
は、ファンドマネジャーが良くない銘柄を選ぶからではない。彼ら
のパフォーマンスがベンチマークを下回るのは、主に、年間平均で
2%程度かかる手数料と売買コストのためである

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『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244660
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■目次■

第1部 株式投資の歴史的評価
第2部 株式価値の評価、将来の利回り、投資手法
第3部 投資の経済環境
第4部 短期的な株価の変動
第5部 株式で富を築く

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