http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166605011
本日の一冊は、ベストセラー『ウェブ進化論』などでも取り上げら
れたグーグルとそれを取り巻く状況を、気鋭のジャーナリストが追
った、注目の新書です。
※参考:『ウェブ進化論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480062858
最初に申し上げておくと、既にインターネット世界の最新動向を把
握している人には、目新しい情報は何もありません。
ただ、最先端のインターネットテクノロジーを使って、企業や個人
が何をすることができるのか、そこにはどんなリスクが潜んでいる
のか、理解することができるという点では、重宝する一冊だと思いま
す。
今やインターネットビジネスの世界は、オセロゲームのようなもの。
端っこである「顧客」の関心をいかにしてとらえ、敵のオセロをひ
っくり返すか、という知的ゲームになっています。
このゲームを制するために、一体どうすればいいのか、そのなかで
生き残るにはどうすればいいのか、本書を読みながら考えてみたい
ところです。
ぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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グーグルニュースは、世界のメディア業界を震撼させ続けている。
なぜならこの新サービスは、新聞やテレビ、通信社などがネット上
で展開しているさまざまなビジネスを、崩壊させかねない可能性を
はらんでいるからだ
マイクロソフトはウィンドウズやオフィスソフトを高値で販売し、
莫大な利益を上げてきた。それに対してグーグルは、すべてのサー
ビスを無料で提供し、マイクロソフトを駆逐しようと躍起になっている
グーグルは、「グーグルブックサーチ」というサービスを2004年に
スタートさせている。これは書籍の全文が検索できるサービスで、
世の中のすべての書籍をグーグルから検索できるようにすることを
目指している
実はグーグルは、これらの無料サービスを広告で維持しようとして
いる。アドワーズとアドセンスによって莫大な収益をあげ、そのあ
ふれんばかりのマネーを使ってありとあらゆる産業に打って出よう
としているのだ
最近はグーグルはアドセンスを発展させ、紙の雑誌に広告を配信す
るサービスさえはじめている。ありとあらゆるメディア、コンテン
ツに広告を掲載することをグーグルは狙っているわけだ
大半の人々がポータルを使わず、検索エンジン経由で直接ショッピ
ングサイトに行って買い物するようになっていくと、楽天市場のよ
うなショッピングモールは存在意義がなくなってしまうことになる。
それはヤフーのような総合ポータルでも同様だ
要するにカネや時間、生産量を持っているのが優位なのではなく、
いまや、「人からどれだけ注目(アテンション)されるか」が最大
の価値基準になっている
法や市場原理、モラルといった伝統的な制約だけでなく、ソフトウ
ェアやシステムなどのアーキテクチャーによっても人々の行動を制
約し、規制することは可能なのである。そしてグーグルという司祭
の権力は、まさしくアーキテクチャーによって成り立っている権力
システム以外のなにものでもない
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『グーグル 既存のビジネスを破壊する』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166605011
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■目次■
第1章 世界を震撼させた「破壊戦略」
第2章 小さな駐車場の「サーチエコノミー」
第3章 一本の針を探す「キーワード広告」
第4章 メッキ工場が見つけた「ロングテール」
第5章 最大の価値基準となる「アテンション」
第6章 ネット社会に出現した「巨大な権力」
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