http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270000996
本日の一冊は、スタンフォード・ビジネススクール教授のジェフリー・フェファーと、同大学エンジニアリングスクール教授のロバート・I・サットンが、多くの組織に共通する病、「実行力不全」の問題を取り上げた一冊です。
かつて『変われる会社、変われない会社』として出されていた本を復刊したもので、数多くの事例から、「実行力不全」に陥っている企業の共通点と、それを乗り越えるための方法論を示しています。
この「実行力不全」の主な原因は、恐怖政治や評価システム、リーダーシップの問題であり、著者はこれらに詳細な解説を加えています。
共著者の一人、ジェフリー・フェファーは、前著『隠れた人材価値』のなかで、「真の競争優位とは、すぐれた戦略よりむしろ、すぐれた実行力によってもたらされる」と書いていましたが、だとしたら、本書で述べられている内容は、企業が競争優位を築く上で極めて重要です。
※参考:『隠れた人材価値』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798102245
そして、本書のエッセンスを極めて凝縮して伝えるならば、それは「人を活かす」「人を育てる」ということなのではないかと思います。
人間である限り、組織である限り、どんな企業もいつか機能不全に陥る。そんな時は、本書をめくって気持ちを新たにし、問題の改善に臨みたいところです。
すべてのリーダーに、自身を持っておすすめしたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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真の競争優位とは、すぐれた戦略よりむしろ、すぐれた実行力によってもたらされる
(ジェフリー・フェファー『隠れた人材価値』)
本当に実行できる知識は、本を読んだり人に聞いたり、考えたりして学ぶことよりも、行動から得られる
社訓を掲げるのも、机上の空論をもてあそんで行動をおろそかにする常套手段
評価の基準として考えられるのは、
(1)仕事ぶりや組織に対する貢献度と、
(2)印象である。
情報としててっとり早いのは(2)である
単純なトークほど、行動につながる。単純なアイデアには、批判や論争の余地がない
むやみに経験に頼る体質では、知識を行動に移せない
前例や歴史を乗り越えるのもよいが、初めからむだなルールや、形式的なやり方をつくらなければ、さらに賢明だ
職場に信頼と安心の雰囲気があれば、人は質問したり、初めての課題に取り組んだり、新しい部門を立ち上げるなどして、過去をきっぱり切り捨てることができる
◆組織から恐怖心と怠惰を追放する方法 ※一部紹介
・上司は悪い知らせを伝えた人をほめ、見返りを与え、昇進させる
・行動して成功しなかったことではなく、行動しなかったことを罰する
・リーダーも率先して自分の失敗を語る
・人々に第二のチャンスを与える
◆知識を行動に変える評価方法 ※一部紹介
・プロセスの途中や、結果に至る活動に注目したい
・ビジネスモデルや文化、哲学を反映した評価であること
・測定基準は多すぎてはいけない
組織の効率は、各自が進んで仲間と協力するかどうかにかかっている
(チェスター・バーナード)
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『実行力不全』
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■目次■
原著まえがき
謝辞
第1章 知識は実行してこそ価値がある
第2章 言葉を行動と錯覚してはいないか?
第3章 前例が思考を妨げる
第4章 恐怖心が行動をはばむ
第5章 評価方法が判断力を狂わせる
第6章 内部競争が敵をつくる
第7章 知識と行動のギャップを乗り越えた企業
第8章 知識を行動に変えよう
付録 知識と行動の調査
原注
監訳者あとがき
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