2006年1月8日

『直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062131900

本日の一冊は、投資つながりということで、かつて東京No.1と謳われた伝説のトレーダー、藤巻健史さんの新刊を紹介いたします。

ご存じない方のために説明しておくと、藤巻さんは、モルガン銀行の資金為替部長、東京支店長等を歴任し、銀行の自己売買取引で巨額の利益を上げた、伝説の人物。

一時はあのジョージ・ソロスの投資アドバイザーも務めたという実力派です。

本書では、その藤巻さんが、現在、どのようなポジションを取っているのか、また、今後のマーケットの動きをどう見ているのか、を大公開したもの。

主張のほとんどは、これまでの著書やインタビューで述べている内容と変わりませんが、株式市場が過熱している現在だけに、気になる一冊です。

投資家のみなさんは、今後のマーケットを読み解くひとつのヒントとして、読んでみてはいかがでしょうか。

なお、藤巻さんの本を初めて読む方には、笑える本でもある、ということを付記しておこうと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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世の中がインフレになるのならば不動産や土地を持ち、長期固定金利の借金をしなければ、自分の財産を守れない

個人は現在「デフレ対応型の資産運用」をしていると言える。資産の大半を預金というデフレ時に最適な資産で運用しているからだ。一方、国のポートフォリオは明らかに「インフレ期待型」だ

「小売物価がマイナスのままでも日本に経済は元気になりうる」のである。資産インフレさえ起きればよい(中略)資産価格が上昇すれば不良債権は優良債権に変わる

企業保有の社宅や独身寮の売却、金融機関保有の運動場やテニスコートの売却のピークは、すでに終わってしまった。それなのに購入サイドは、外国人、国内の年金資金の運用者、個人等と、不動産に興味を持つ人がどんどん増えている

今後、本格的に資産価格が上昇していくか否かは、為替いかん

日米金利差が開けば、その後、実際問題としてドル投資のほうが有利

◆藤巻氏が株価上昇を予想する理由
1.円安が進み景気が良くなると見ているから
2.政府がいずれはインフレ政策を取らざるを得ないと見ているから
3.ライブドアVSフジテレビ騒動を経験し、日本の企業経営者が「株主をより大事にする」と思うから

不動産に関しては、「相場の大底が自分自身にとっての大底ではない」ことを肝に銘じるべきである。相場の大底では、良い物件はプロが先に手にしてしまい、個人には回ってこない

中国経済は、成長率の減速があったとしても、しばらくは高成長を続けると考える。人民元が、割安のままで放置されると思うからだ。人民元が安ければ、中国は当分の間、世界の工場として君臨できる

今回の石油高騰は前回の石油ショックと異なり、需要サイドから起こったものである。すなわちBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)や米国の経済が絶好調で、石油の需要が増加したからこそ需給のアンバランスが起きた

資産運用はマーケットリスクのみを取るべきで、信用リスクや流動性リスクは取るべきではない
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『直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062131900
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■目次■
序章:私はどのようなポートフォーリオを組んでいるか?
第1章:景気予想には資産価格の動きが最も大事
第2章:世界経済/世界の資産価格の動き
第3章:日本の資産価格の動き
第4章:為替マーケットの今後
第5章:日本の株式市場の今後
第6章:日本の不動産市場の今後
第7章:円金利の今後
第8章:米国経済の今後
第9章:中国経済、人民元切り上げについて
第10章:商品市況(石油・金)の動きについて
第11章:ヘッジファンドはマーケットを動かすか?
第12章:日本を取り巻く諸問題(増税問題)
第13章:日本を取り巻く諸問題(ものづくり日本の将来)
第14章:日本を取り巻く諸問題(米銀に対する邦銀の立ち遅れ)
付録:フジマキな日々
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