http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270000740
本日の一冊は、バランスト・スコアカード(BSC)の権威、キャプラン&ノートンによる、注目の最新刊です。
著者いわく、多くの企業にとって「真に問題なのは、[戦略の間違いではなく]……うまく実行できなかったこと」にあるそうです。
では、戦略を実行する際に、何を考慮し、何を目安に、何を実践すれば良いのか。そこで登場したのが、「戦略にもとづいた測定システム」である、BSCです。
本書では、そのBSCの考え方や、BSCを実際に導入して成果をあげた企業の実例・データが多数紹介されており、経営幹部にとってじつに参考になります。
曖昧模糊とした「戦略」の概念を超えて、具体的にどんなアクションに落とし込むか、までが詳しく書かれている点が本書の最大の特長でしょう。
あまりに詳しく書かれているので、読むのには骨が折れましたが、今すぐ使えそうな内容がたくさんあって、ちょっとワクワクします。
500ページ以上の大著であり、著者らが体系化したフレームワークをすべてご紹介することはできませんので、本日の赤ペンチェックは、気づきを得られるフレーズを中心に集めました。
若干、BSCに関する予備知識が求められる本なので、BSCをまったくご存じない、という方は、『キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード』を読まれるといいでしょう。
※参考:『キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492554327
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■ 本日の赤ペンチェック
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測定すると人間はやる気になる。経営者と従業員は、どんな尺度が選ばれようとも、その尺度を達成しようと努力する
BSCの設計では、企業は長期的な企業価値の創造のための戦略を特徴的に示す限られた数の重要な変数を測定するよう心がけなければならない
◆戦略マップの5原則
1.戦略は相反する要因のバランスをとる
2.戦略は差別化した顧客への価値提案にもとづく
3.企業価値は内部ビジネス・プロセスを通して創造される
4.戦略は同時進行の補完的なテーマからなる
5.戦略への方向づけが無形の資産の価値を規定する
詳細化、すなわち、「人材開発」や「中核的価値観の実現」といったありふれたことから脱却し、戦略にとって決定的に重要な内部プロセスが必要とする特有のケイパビリティおよび属性に注目すること
組織において最も希少な資源は時間である。他のプロセスと関係がなく影響の小さいプロセスに単発的に従業員が行う改善の実施項目ではなく、マネジャーは従業員の努力を多大な原価低減の機会を最大にする活動やプロセスの改善に方向づけるべきである
顧客のロイヤルティよりも価値があるのは、顧客のコミットメントであり、これは、顧客がある企業の製品やサービスに対する満足感を他者に伝えるときに生じる
高度な組織資本をもつ企業は、ビジョン、ミッション、価値観ならびに戦略に対する理解を共有する
経営者は戦略の実行に必要とされる特定の態度と行動を明確にする必要がある(中略)価値観ではなく、特定の態度と行動を測定し、管理しようとすることのほうが望ましい
◆戦略実行のためにリーダーが行うべきこと
1.組織のミッション、戦略、価値観を明確にしなければならない
2.アカウンタビリティと戦略への方向づけ
3.効果的なコミュニケーション
4.チームワークの推進
◆戦略マップに戦略のダイナミクスを与えるための3要素
1.数量化
2.スケジュールの明確化
3.実施項目の選択
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『戦略マップ』
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■目次■
第1章 序論
第2章 戦略マップ
第3章 業務管理のプロセス
第4章 顧客管理のプロセス
第5章 イノベーションのプロセス
第6章 規制と社会のプロセス
第7章 無形の資産を企業の戦略に方向づける
第8章 人的資本レディネス
第9章 情報資本レディネス
第10章 組織資本レディネス
第11章 戦略マップのカスタマイズ
第12章 戦略実行キャンペーンの計画
第13章 民間企業
第14章 公的組織
第15章 非営利組織
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