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本日の一冊は、最近メディアを騒がせている有名人、村上世彰さん(村上ファンド)の評伝です。
村上氏の幼少期から東大の学生時代、通産省の役人を務めて独立、現在にいたるまでの軌跡を描き、村上世彰という人物の謎に迫っています。
また、村上ファンドが絡む最近のM&A関連のニュースを分析しながら、村上氏の考え方や手法を明らかにしようとするなど、なかなか興味深い内容です。
読んでみて驚いたことは、村上氏の育った環境と英才教育、そしてその恐ろしいまでの人脈力です。
「人生は仕入れで決まる」というのは、土井の持論ですが、そういう意味では、村上氏は、なるべくして現在の地位にいたったというべきでしょう。
ひょっとしたら、これからの情報化時代は、エリートが、その知性と資金、人脈力で牽引していくのかもしれません。
評伝ゆえの限界はありますが、なかなか興味深い一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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「村上ファンド」こと、M&Aコンサルティング代表取締役の村上世彰は最近、「市場の歪み」という言葉を周辺の人々に対して使い始めているという
◆村上世彰が狙う主な企業の特徴
1.株価があまりにも割安の企業
2.経営者が旧態依然とした経営に安住している企業
3.一般株主に利益を還元しようとしていない企業
4.休眠状態の資産を多く有し、これを企業活動に有効利用していない企業
5.経営融合により、成長力が増す見込みの高い有望企業
マネーゲームを生業とする村上世彰は、「市場の歪み」と「認識のズレ」に食いつくニューリーダーたちの動きを抜け目なく察知して、攻め手であるニューリーダーの企業と攻められ守勢に立つ古い企業の両方の銘柄に資金を注ぎ込み、「M&A合戦」に参戦し、「巨利」を得ようとする
◆村上世彰の考え方?
たとえ友人であろうとも、日頃のつき合いは、ビジネスとは別である。切った張ったのビジネスには「情は禁物」である。そう割り切っている
昭和四四年、「小遣いを自分で稼いでみい」と、父親から「今後一切お金をあげないという条件」でいきなり一〇〇万円を手渡される。仕事で多忙をきわめ、めったに顔を合わせることのなかった父親から株式投資で儲けることを命じられた。実に小学校四年のときである
村上世彰は、大学入学試験で初めて「挫折」を知る。理科系が得意で文科系が苦手だったのが不合格の原因だった。一年の浪人生活を経て、昭和五四年春、東京大学法学部に入学した。この頃には、株式投資で得た資産は数億円に膨らんでいたという
破天荒な持論をぶちまける村上世彰に好感を持ち、バックアップする大物財界人は多い。持ち前の明るい性格と積極性から、村上世彰は大物財界人の懐に飛び込むのが上手い。案外に「ジジ殺し」なのである
村上世彰は、ジョージ・ソロスの独自の投資理論である「再帰理論」、そのなかでもとくに「投資家の認知の歪み」概念に強い影響を受け、これを自らの相場観構築や投資の実戦に応用しているようである
◆村上ファンドが投資するターゲットのポイント
1.キャッシュリッチ
2.低いPBR
3.配当余力がある
4.資金効率が悪い
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『村上世彰「私の挑戦」』
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■目次■
はじめに 村上世彰は革命家、それともただの相場師?
第1章 ニッポン放送・フジテレビ株買収劇の「陰の軍師」
第2章 その氏素性と金銭感覚
第3章 村上ファンドの経営戦略と体制
第4章 村上ファンドの戦歴と実績
第5章 「村上世彰流」投資理論・相場観・投資手法
第6章 出る杭は打たれる
第7章 日本の資本市場の未来と村上ファンド
あとがき 「政治家」を目指すのか、「慈善事業」に向かうのか
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