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本日の一冊は、岩井克人さんによって書かれ、話題となった『会社はこれからどうなるのか』の続編です。
※参考:『会社はこれからどうなるのか』
http://tinyurl.com/74kps
会社とは何か、という根本的な問いかけにはじまり、話は、コーポレートガバナンスの問題、ポスト産業資本主義の競争の源泉、金融の役割、会社の社会的責任にまで及んでいます。
とりわけおもしろかったのは、ライブドア堀江社長の例を挙げながら、これからの競争の源泉はヒトであること、そしてヒトはお金では買えないことを強調している点です。
これからのビジネスにおける、創造的人材の重要性と、マネジメントの重要性を強く感じる、読み応えのある論考でした。
なお、後半部分は、著者と小林陽太郎さん、原丈人さん、糸井重里さんとの対談となっています。
こちらも、基本的には資本主義と会社、ヒトに関する議論で、それぞれの視点の違いを楽しむことができます。
これからの経営者には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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アメリカ的な会社のあり方も日本的な会社のあり方も、会社というものがそもそも持っている二階建て構造の、それぞれ二階部分と一階部分のどちらを強調するのかということの違いでしかない
株主主権論とは、企業と会社とを混同した法理論上の誤りですが、それがたんなる理論上の誤りでしかなかったら、あまり実害はないかもしれません。だが、それは本来、信任関係で結ばれるべき会社と経営者との関係を、あたかも契約関係であるかのように見なすのを許すことによって、経営者による会社の私物化への道を開いてしまう働きをする
経済学の父に楯突くのは気が引けますが、資本主義と自由放任主義を同一視するのは誤りです。資本主義とは、いうなれば、その中核の部分で、人間が倫理的であることを必要とした社会体制なのです
違い(差異性)から利益をうみだす――それは、資本主義の基本原理
「違い」の寿命は短い
利益の源泉である違いは、一度作り出せばそれで安泰ということにはならない
ポスト産業資本主義という時代の最大の特徴は、おカネの価値が下がり、代わりに、ヒトの価値が上がる、ということにある
とくに重要なのは、ヒトの頭脳です。ヒトの頭の中にある知識や能力、ノウハウや熟練などが、違いを生み出す重要な源泉になってきた
ポスト産業資本主義の時代とは、おカネの供給者としての株主が、違いの創造者としてのヒトに、会社の支配者としての地位を譲り渡さなければならなくなった時代だと言える
ポスト産業資本主義的な金融活動とは、まだモノとしては何ものでもないアイデアを具体的なモノのかたちに変換していくプロセスに対して、おカネを貸すこと
会社は社会のもの
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『会社はだれのものか』
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■目次■
第一部
会社はだれのものか
第二部
新・日本型経営が見えてきた――小林陽太郎氏との対話
次世代産業は日本がリードする――原 丈人氏との対話
会社は、驚きに満ちている――糸井重里氏との対話
あとがき
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