本日の一冊は、昨年刊行されて話題になった、日本の優秀企業30社の徹底検証モノです。
花王、キヤノン、シマノ、信越化学工業、セブン-イレブン・ジャパン、トヨタ自動車、マブチモーター、ヤマト運輸といった、日本を代表する企業を取材し、最終的に「6つの条件」として集約しています。
今回、土井が九州で取材した企業と共通した部分も数多くあり、たいへん興味深く読ませていただきました。
「6つの条件」を知るだけでも価値がありますが、さらにきちんと学びたい人のために「補論」が設けられており、アカデミックな知識もきちんと学べるようになっている、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■優秀企業の6つの条件
1.分からないことは分けること
2.自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
3.客観的に眺め不合理な点を見つけられること
4.危機をもって企業のチャンスに転化すること
5.身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること
6.世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること
優秀企業の経営者は、自企業が取り組むべき事業の範囲を明確に認識している。特に、その会社が取り組むべきでない事業が明確であり、経営者が分からない事業は決して手がけない。
成功のためには、現場・現物・現実の三「現」の重視。優秀な成果を収めている企業の社長は、例外なく自身がこの三「現」を体感している。
絞り込みを行えば、その分野においてはどこにも負けない究極の競争力がつく
世界市場で勝負するなら、「単品」に絞った”専門店”で十分ビジネスになる
社長がデザインを決めていることが重要なのではなく、社長がデザインを決めても商品が成功するほどに社長がマーケットの感覚、現場感覚を持っているという事実
本当に持続的に優秀な企業の経営者は、例外なくロジカルである。
良い循環を起こすためには、「サービスが先、利益は後」
メリットがあって、それを追いかけるのだったら、誰でもできるのである。デメリットがあるところで、そのデメリットをどう克服するかというところにビジネスチャンスがある。
■改革をリードする経営者に必要な条件
1.既存の考え方やしがらみにとらわれず発想でき行動できること
2.その企業の事業についての現場感覚があること、事業に精通していること
常に危機感をもつには、危機の先がけとなる会社の有する問題を社員がいかに早く社内で顕在化させ、それを社員で共有するかが大切である。だから、異常な点、問題点を早く顕在化させる能力が備わっている組織は強い。実際にいろいろな企業を見ていくと、悪い情報が上に上がりやすい企業は、危機感を鼓舞しやすい。
自らが生み出したキャッシュフローのなかで、身の丈に合った研究開発、長期投資を行っていくというのが、優秀企業に総じて観察された考え方
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今回、九州で取材をしていて、少なくとも1、5、6の要素はみなさん持っていらっしゃいました。やはり稼げる社長・企業には共通点があるものなのですね。
というわけで、本日の一冊は、
『日本の優秀企業研究』
http://tinyurl.com/5hvav
です。事例も豊富で勉強になる一冊です。意外と読みやすいですよ。
目次
序章 優秀企業はいかなる特質を有しているのか
第1の条件 分からないことは分けること
第2の条件 自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
第3の条件 客観的に眺め不合理な点を見つけられること
第4の条件 危機をもって企業のチャンスに転化すること
第5の条件 身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること
第6の条件 世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること
終章 私たちが輝いていた原点へ
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