本日の一冊は、明日香出版社の石野誠一社長による、後継者へのメッセージです。
経営者として必要な人生の知恵や心構え、経営の具体的ノウハウ、自らの体験談など、さまざまな話が、父から息子へのメッセージとして書かれており、あの名著『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』を髣髴とさせる内容です。
参考:『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』
http://tinyurl.com/5d2ux
決して後継者問題だけに焦点を絞った内容ではなく、広く、新社長が学んでおくべき事がらを網羅しています。
では、具体的にどんなメッセージが込められているのか。さっそくポイントを見て行きましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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経営業とは、人の味方であり、人の使い方です。「人間」について洞察を深くすることが、間違いのない経営につながっていくことになります。
人と接する場合、「人は自分がいちばん可愛い存在である」ということを徹底的にわきまえておかないと付き合いを全うすることはできません。逆に言えば、人は他人の痛みには、意外と鈍感なものです。若くして人のうえに立たされる新社長は、このことを心してください。
苦はともにできても楽はともにできない(会田雄二の言葉)
近きものを喜ばせば遠くより人来る(孔子のことば)
大事なことは、人と人とのエネルギーのぶつかり合いがあって、会社もまたそのエネルギーの許容量を増やしていくということです。
過分なる報酬は、過分なる投資によってもたらされる(経営名言)
社内から信頼を得る最高の方法は、<私(わたくし)しない>ということ―自分のポケットに入れるな―
すでに存在する事業には、その集団を育てるために、人生の旬の期間を注ぎ込んだ人たちがいるのです。その人たちの<今と明日の生活>の基盤収入を保証するという責任が、二代目にはあるわけです。
経営者が、「伸ばそう、伸ばそう」とがんばるより、伸びるように条件整備をつみあげていくと、自然と会社は成長していく
人を叱るときは、あれこれと斟酌してはならない。この人はあとでどれだけ傷つくだろうか、などと思っては、逆恨みされる叱り方になる。ただ、本人のためを思って、真に打てばいいのだ。真実で打たれて、だめになる人間は、もともとそれまでの人間だ。さっさと離れればいい(松下幸之助の訓え)
人を叱ってわが身を責め、人を斬って、またわが身を責める――そんな繰り返しのあとに、経営者の風格と、立派な会社集団が造られていくのです。
■歌丸光四郎「運命の7大原則」■
第一の原則 善因善果
第二の原則 是が非でもという願望は達成されない
第三の原則 得意は失意の前兆である
第四の原則 願望は諦めたときにひょっこり達成される
第五の原則 訪ねてきた運命の波には乗るべし
第六の原則 潔きは悲惨を伴う
第七の原則 誰がみても気の毒な状態は運命好転の前兆
人生、欲しいものは、<欲しい、欲しい>と念じて、努力すれば、たいていのものは手に入る
■新社長に望まれる要件■ ※天野親子調べ
1.具体的に数字で説明できる
2.自社の将来のビジョンなり方策を具体的に説明できる
3.他人の意見によく耳を傾ける
4.約束を守る。スケジュールを書き込む手帳を持っている
5.礼儀正しく明るい。健康で家族を大切にする
6.従業員から尊敬され親しまれている
7.従業員の定着率が高く、優秀な人材が多い
8.服装や私生活があまり派手でない。身分不相応な外車に乗っているのは好まれない
9.友人が多い。1000枚以上の年賀状が来る人
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いかがでしょうか? さすがは書き手としても優秀な、石野社長の渾身の一冊です。もう既に他界されていてお話を聞けない名経営者たちとのやり取りや、自分が会社を経営して得た経験・視点など、貴重な話がたくさん盛り込まれていました。
というわけで、本日の一冊は、
『新社長へ!これだけは覚えておきなさい』
http://tinyurl.com/4tm9z
です。土井も新社長の一人として、大変参考になりました。ちなみに、奥付を見たら、なんともう8刷り。さすがですね。
目次
はじめに
第1章 社員さんとどうつきあうか
第2章 功労幹部をどう処遇するか
第3章 自分と後継者をどうあつかうか
第4章 決めてからどうしたか
第5章 求心力を得るには
第6章 日々をどう生きるか
第7章 身につけておきたい、あれこれ
第8章 事業を継ぐ二代目として意見表明します
あとがき
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