2024年12月13日

『いつも信頼される人がやっている「たったひと言」の質問力』 坂本聰・著 vol.6623

【画期的。】
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本日ご紹介する一冊は、経営学者の楠木建さんが絶賛する、質問力の本。

とはいっても、これまでの質問力の本とはまったくコンセプトが違います。

本書と類書の違いは、大きく分けて2つ。

一つは、何を聞くかという点。

そしてもう一つは、「絵訳」という、著者のオリジナルメソッドです。

まず何を聞くかですが、通常、人は自己都合で質問したり、わかったつもりのまま質問を重ねています。

本書の冒頭に出てくる、ある売れっ子ディーラーがお客さんにかけた言葉を見れば、そのことがよくわかると思います。

本書の冒頭で著者は、「売れっ子ディーラーさんがお客さんにかけたひと言はどれでしょうか?」という質問をしています。

選択肢は、以下の3つです。

(1)「どんな車をお探しですか?」
(2)「今日は、どんなご用件でしょうか?」
(3)「新車種をご覧になりませんか?」

正解は、この3つの中にはありません。

売れっ子ディーラーがかけた言葉は、じつはこれでした。

「よくお出掛けになるんですか?」

デキるビジネスパーソンなら、この意味がよくわかるのではないでしょうか?

このディーラーは、相手を理解しようとした。だから信頼とニーズを獲得できて、その後、商談が上手く行ったのです。

ここで、一つ目の「何を聞くか」の答えになるのですが、信頼を獲得するための質問の要件は、「わからないところを聞く」こと。

純粋にわからないことを聞く。そしてそれが頭の中で「絵」になるように聞く。

これができれば、相手と信頼関係が構築できて、かつ問題解決がスムーズに行くのです。

これが2つ目の「絵訳」の技術です。

そしてこの「絵訳」には、7つの理解レベルがあって、これができると、情報の解像度が劇的に高まり、問題解決能力が向上するのです。

質問と理解について、断片的に書かれた本はありますが、こんなに体型的にメソッドをまとめた方は、これまでにいなかったのではないでしょうか。

著者は、ベルギー王国に留学してフランス語を学習した時にこの学習原理に気づき、独自の絵訳メソッドを開発。

現在は、東京の渋谷で「現代の寺子屋」として「考学舎」を運営しているようです。

誰が読んでも勉強になりますが、特に子どもの学習力を高める上で、大きな効果が期待できそうですね。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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実は、ほとんどの人が「わかったつもり」

私が理想とする質問は、もっと単純で、根本も違います。「わからないところを聞く」質問です。そうすると、的外れな質問や相手が望まない質問ではなく、純粋に「知りたい」を体現する質問になります。大切なのは、「自分が何をわかっていなくて、何を知りたいのか」を自覚することです。「とりあえず何か聞いてみよう」「話させよう」ではダメです

実は私たちは、「わからないところ」をスルーしてしまっていることが多い

「勝手な想像」で会話をするのをやめる

知識はなくていいから質問力を磨こう

すべての言葉と絵はセットになっている

単語の意味をきちんと言葉や絵、図でその背景まで理解することで、初めて自分自身の言葉にできる知識として定着させることができた

読んだことや聞いたことを絵にして自分の理解を確認する

そもそも会話は「イメージ」するとうまくいく

言葉にする前に、頭の中で絵にする

「イメージできない言葉」は疑問になる

「聞き方」よりも「聞く内容」があなたの評価を決める

自分の頭の中にある絵の不明点をそのまま伝えれば、それが立派な質問になります

「絵訳」理解度のレベル
1 「単語」をイメージ化できる
2 「位置関係」までイメージできる
3 「重要性」をイメージ化できる
4 「時間の流れ」をイメージ化できる
5 「バラバラな情報をつなげて」イメージ化できる
6 「マニュアル化」して、誰かに伝えられる
7 抽象的な内容をイメージ化し、言語化できる

「簡単な絵に描けるか」まできちんと調べる

理解を深めるステップ
1 文章を始めから終わりまで、通しで読む(聞く)
2 「知らない言葉」を探す
3 「知らない言葉」をイメージ化する
4 「知らない言葉」のイメージを確認する
5 もう一度全体を読む
6 「1コマか、複数コマか」イメージする
7 「それぞれの絵」をイメージする
8 「層」に分ける
9 「要素」に分ける
10 「要素の関係」を整理する

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タイトルからはまったく内容が想像できませんでしたが、これは画期的な質問メソッド、学習メソッドだと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『いつも信頼される人がやっている「たったひと言」の質問力』坂本聰・著 ソシム

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◆目次◆

はじめに
序 章 いつも信頼される人はどこが違うのか?
第1章 「信頼される質問」をつくる絵訳とは?
第2章 質問力を高める絵訳の技術
第3章 「最高の言葉」を絵訳で探す
第4章 「絵日記」で質問力を鍛える
おわりに

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