【来年の経済をどう見るか】
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本日ご紹介する一冊は、毎年出されている、BCG(ボストン コンサルティング グループ)コンサルタント陣による未来予測本。
「論点」として10のトピックを挙げ、現状と未来予測、企業が取り組むべき課題を取り上げています。
紹介されているトピックは、以下の通り。
・生成AI
・自動車の未来(EV、自動運転など)
・半導体
・次世代エネルギー
・生物多様性
・物流
・プライシング
・R&D(研究開発)
・スタートアップとの協働
・企業価値創造
「Chapter1 生成AIを武器にする」では、生成AIの導入状況や、成功企業の事例、米国メガテック企業に対抗する日本企業の戦略などが述べられています。
「Chapter2 自動車の未来」では、現在停滞しているEV市場の成長予測、新車販売台数が頭打ちする未来、自動運転タクシーの普及とそれに伴う個人所有の減少などについて述べられています。
「Chapter3 半導体の再興」では、一国では完結できない複雑なサプライチェーンを構成し、かつ地政学リスクの高い半導体分野で、日本がどう戦略的に振る舞えばいいのか、ヒントが示されています。
「Chapter4 次世代エネルギーの推進」では、一見大企業しか入り込めない次世代エネルギービジネスにおいて、どこにチャンスがあるのか、中小企業のビジネスチャンスが示されています。
「Chapter5 生物多様性に向き合う」では、気候変動問題の有力な解決手段と目される生物多様性について、大事な視点が示されています。
「Chapter6 物流を変革する」では、物流のキャパシティ不足が引き起こす負のスパイラルに触れ、物流問題をどう解決するか、有用な視点と大企業の取り組みが紹介されています。
「Chapter7 プライシングを進化させる」では、ダイナミックプライシングを始め、これから企業が継続的に成長するためのプライシングのヒントが示されています。
以下の章は省略しますが、今後の日本の主に大企業の課題について述べられており、興味深い内容です。
Chapter8 R&D(研究開発)能力の向上
Chapter9 スタートアップとの協働
Chapter10 アクティビストを超えて
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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まず、AI導入以前のDXが他国に比べて遅れている
業務体制が縦割りであることから投資規模が小さくなり、いまひとつ投資対効果を実感できていない場合が多い
グーグルやマイクロソフトのようなメガテック企業が1兆パラメーター規模のモデル開発でしのぎを削り、GPU(画像処理半導体)の大量確保やデータセンターの新設を進めるなか、日本としてそこに真っ向から戦いを挑むのはあまり現実的とはいえない。先述した懸念点も踏まえると、考えられるのはいままでのように汎用性が高い、あたかも優秀な大学生のようにあらゆる面に賢い生成AIではなく、領域に特化した専門家タイプ、かつ省エネモデルの開発である
実際に、大規模言語モデル(LLM)よりパラメーターの小さい小規模言語モデル(SLM)がにわかに注目を集めている。国内では、グーグル出身の著名なAI研究者が日本で設立したスタートアップ「Sakana(サカナ)AI」が、日本語など特定の言語に対応したSLMを開発している
一時的な停滞があっても、EV普及は着実に進行する。BCGの予測では、2030年の世界新車販売に占めるEVの比率は39%、2035年は63%
世界の新車販売台数は現在約1億台だが、早ければ2030年代後半あたりから成長が止まり、横ばい、あるいは下落に転じる可能性があるだろう
[急進的なシナリオ]EVと自動運転タクシーが一般化する
このシナリオで最も重要なポイントは自動運転タクシーの普及だ。EVの普及が進み、かつ自動運転が実用化の段階に入ると、車両の所有は自動運転タクシーサービスに関わる法人が主体となり、個人の所有は減少していくはずだ
企業は半導体に見合う付加価値を求められる
洋上風力には、「電力会社や商社の独壇場」というイメージがあるかもしれないが、風車のブレード、タワー、基礎、発電機、ケーブル、さらには工事をするための専用船など裾野が非常に広く、それだけ多様な企業に関わるチャンスがある
2040年頃までは、東京では労働人口は減るものの消費人口が増える
2024年5月には、伊藤忠商事、KDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所の5社が、荷物や倉庫、車両の空き情報などをデジタル技術で可視化し、複数企業の倉庫やトラックを相互接続させるネットワークの2024年度内の事業化に合意した
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ちょっと大企業寄りなのが気になりますが、経営における今年、来年のトピックが過不足なく押さえられています。
ぜひ、読んでみてください。
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『BCGが読む経営の論点2025』ボストン コンサルティング グループ・編 日本経済新聞出版
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◆目次◆
序章 世界の潮流を理解し、持続的な成長を実現する
Chapter1 生成AIを武器にする
Chapter2 自動車の未来
Chapter3 半導体の再興
Chapter4 次世代エネルギーの推進
Chapter5 生物多様性に向き合う
Chapter6 物流を変革する
Chapter7 プライシングを進化させる
Chapter8 R&D(研究開発)能力の向上
Chapter9 スタートアップとの協働
Chapter10 アクティビストを超えて
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