【ビジネス文書をシンプルにするTips集】
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本日ご紹介する一冊は、出版社で編集者・記者を務めたのち、ライター&インタビュアーとして独立、27年間で3800件以上の取材・執筆をこなしてきたという著者が、ラクに速く書くためのヒントを提示した一冊。
冒頭の「ダメ文セルフチェック」で、ダメな文章の共通点を指摘していますが、これによると、ビジネスにおけるダメな文章の特徴はこんな感じです。
・一文に情報が詰まりすぎ
・くどい言い回しが多くて読みにくい
・「なぜなら」を正しい表現で受けていない
・何を「お願い」されたのかわからない
・安さが具体的にイメージできない
では、どうしたら改善できるのか。
Chapter1で「伝わる文章の基本ルール」を提示した後、全部で100の文章術のヒントをまとめています。
「基本ルール」からポイントをピックアップすると、以下の通りです。
・情報をひとつに絞る
・「一文一義」を心がける
・同じ言葉を立て続けにくり返さない
・専門用語や難解な言葉は言い換える
・文体を統一する
それぞれ、「ダメ文」と「修正文」の例が出ているので、どう修正すればいいか、一目瞭然だと思います。
文章術の本には、曖昧なアドバイスのものも多いのですが、本書はアドバイスが極めて具体的なのが特長。
文章が苦手な人でも、どう直せばいいか、ポイントが一発でわかると思います。
Chapter2では、プロライターの「速く短く書く」方法が書かれており、文章の作成スピードを上げたい向きにも役立つと思います。
ある程度書けるようになったら、Chapter5の「相手を動かす」も読んでおきたいですね。
ここでは、「不を維持する代償」を伝えることで潜在的顧客の背中を押す方法や、限定感を打ち出すことで希少性を高める方法が紹介されており、セールスやマーケティングにも威力を発揮すると思います。
ビジネスパーソンの文章術の基本から実践まで押さえているので、社内研修のテキストとしても重宝すると思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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「自問自答」をくり返して書く
スポーツカーファンには、燃費について語るよりも、エンジンの馬力をアピールしたほうが喜ばれます。一方、軽自動車の購入を検討している人には、エンジンの馬力について語るよりも、燃費の良さをアピールしたほうが響きます
「一文一義」とは、一文(ワンセンテンス)の中に、ひとつの事柄だけを書くこと
数字や固有名詞で具体的に書く
マイナス→プラスのストーリーで共感を誘う
冒頭は体験談で引き込む
文章を削る作業は、「文中に盛り込まれている情報を見比べて、重要性の高いものから順に残していく作業」
(原文)昨日、都内の量販店で最新のたこ焼き機を買いました。
(修正文)昨日、最新のたこ焼き機を買いました。
くどい表現・言い回しを削る
× 緑は合わないと思います。
逆に、青はいかがでしょうか。
○ 緑は合わないと思います。
青はいかがでしょうか。
余計な「前置き」や「注釈」を省く
「の」の連続使用に注意する
「また」「そして」「それから」は1段落にひとつだけ
同一語尾が続く文章を避ける
中黒(・)を上手に使うと、文章が整理されて、読みやすくなります
主語と述語を正しく対応させる
二重否定は肯定文にしてシンプルにする
使いがちな二重表現 ※一部紹介
・一番最初
・余分な贅肉
・思いがけないハプニング
・春一番の風
容認される二重表現 ※一部紹介
・犯罪を犯す
・被害を被る
・指を指す
・遺産を遺す
「こそあど」言葉は極力使わない
お礼は具体的に喜びを書く
「不を維持する代償」を自覚してもらうことで、潜在的顧客の背中を押すことができます
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見開き2ページで、文章術のポイントと文例が紹介されているので、興味のあるところからサクサク読めるのが良い。
報告のための文章から、セールスのための文章まで、ビジネスにおける文章術をマスターしたい方には、おすすめの一冊です。
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『文章のスゴ技BEST100』山口拓朗・著 明日香出版社
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◆目次◆
はじめに
ダメ文セルフチェック
この本の使い方
Prologue 思い通りに速く書ける人になるために
Chapter1 伝わる文章の基本ルール
Chapter2 言いたいことを最速で伝えるために速く短く書く
Chapter3 社会人として恥ずかしくない文章を正しく書く
Chapter4 自分も相手もラクになる伝わるメールを書く
Chapter5 心に刺さる文章を書いて相手を動かす
おわりに
文章テンプレート
メールの基本フォーマット
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