2024年10月3日

『拝啓、諭吉様。』永松茂久・著 vol.6574

【『学問のすすめ』のエッセンスを小説で学ぶ】
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本日ご紹介する一冊は、『人は話し方が9割』で令和のNo.1ベストセラー作家となった著者が、明治No.1ベストセラー『学問のすすめ』の著者、福澤諭吉について書いた自己啓発小説。

※参考:『人は話し方が9割』
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※参考:『学問のすすめ』
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さえない若者が、ひょんなことから福澤諭吉の幽霊に会い、『学問のすすめ』のエッセンスを学ぶという話で、『学問のすすめ』を読み損ねていた人には、手頃なエントリー本かもしれません。

スティーブ・ジョブズや坂本龍馬、高杉晋作、野口英世、樋口一葉、渋沢栄一など、『夢をかなえるゾウ』ばりにどんどん有名人が出てくるので、その辺もエンターテインメントとして面白いかもしれませんね。

『夢をかなえるゾウ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866512415

じつは著者の永松茂久さんは、福澤諭吉と同じ大分県中津市生まれで、そのこともあり、舞台が中津とその周辺になっています。

『学問のすすめ』がどんな背景から生まれたか、福澤諭吉の商売人としての才覚、独立自尊の意味など、案外知られていないことが丁寧に書かれており、雑学としても面白く読めます。

慶應義塾大学卒業ですが、三田が元々肥前島原藩(いまの長崎県)のものだったなんて、知りませんでした。

不思議なご縁を感じますね。

中津を訪れたことのある身としては、耶馬溪、青の洞門の辺りのエピソード、興味深く読ませていただきました。

有名な「中津からあげ」がなぜ起こったのかという話も、丁寧に書かれています。

九州にゆかりのある方、特に大分の方は、必読の内容ですね(笑)。

日本が貧しくなった今、本書をきっかけに再び『学問のすすめ』を読むのは、日本復活のためにも重要なことかもしれないと、読んでいて思いました。

さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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そもそも『学問のすすめ』という本は、当時の日本人に向けて西洋の最先端の考え方を伝えるために書いたものだ。だからあえて意識的に欧米のいろんな言葉を引用した

「結果の平等に対して権利の平等。これは『学ぶ権利は誰にでもある』『幸せに生きる権利は誰にでもある』ということだ」

「つまり君が人生を豊かなものにするためには、頭を使って仕事をする側にまわらなければいけないということになる」

商売成功のコツは、それまで世の中になかったものを新しく開発するより、いまあるものをベースにしながら、時代時代に合わせてアレンジしていくほうが早道

「それなら多くの情報を持っていなくても、ひとつの実学を徹底的に極め、『自分はこの分野だけは人に負けない』という腕を持った人間のほうがよほど世の中の役に立つ」

君がお金持ちになりたかったり、仕事でうまくいきたいなら、自分の実学に集中し、そこで得た学びを実際に使いながら日常生活を送ってみればいい

「昔はいくら志があっても、それを実現させることは限りなく難しかった。しかし、いまの時代は違う。身分制度がなくなり、誰もが平等を保障され、一歩を踏み出す覚悟さえあれば、誰でも道が開けるようになった」

一身独立して一国独立す。これが私が『学問のすすめ』で一番伝えたかったことだ

「精神的にも経済的にも自立した人は自分にゆとりができる。その分、真剣に周りのことを思うことができるようになる

自立の気概のない者は、他人や地位に依存して悪事を働く

人との貸し借りにおいて赤字をつくらない

「人生で一番幸せなことは、『これに人生をかける』と思えるような、一生を貫く仕事を持てることだ」

アリ程度の人生で満足するな

すべての人間が自分のことだけで満足し、平凡な人生に安住してしまうならば、今日の世の中は始まりのときから何の進歩もなかっただろう

人は疑うことをやめると、それまでの自分が覚えてきたことだけで生きていかなければならなくなる。そうなると、当然見える世界は狭くなる

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土井は、九州在住で慶應義塾大学出身ですから、大いに楽しめましたが、客観的に見て、「ちょっと話が中津に寄りすぎたかな?」という印象は否めませんね。

また、どこからどこまでが福澤諭吉の言ったことかがわかりにくいので、あくまで自己啓発小説として楽しむといいと思います。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『拝啓、諭吉様。』永松茂久・著 すばる舎

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◆目次◆

プロローグ
第1章 出会い
第2章 学問のすすめ
第3章 中津からあげ
第4章 諭吉さんの過ごした町、中津
第5章 『学問のすすめ』で諭吉さんが一番伝えたかったこと
第6章 日本ご先祖委員会
第7章 福澤式、仕事がうまくいく人の考え方
第8章 慶應義塾
第9章 君よ、もっと大きく、自由に生きよ
最終章 サクラサク
エピローグ
あとがき

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