【akippa成功の起業戦略】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761277505
本日ご紹介する一冊は、駐車場シェアリングサービスの「akippa(アキッパ)」創業者、金谷元気さんと同社の中核メンバーが、起業成功の戦略と秘訣を語った一冊。
累計会員数400万人突破。楽天・ドコモも撤退した駐車場シェアリングサービスで、なぜakippaだけが一人勝ちできたのか?
本書には、その秘密が書かれています。
創業者・金谷氏がこのビジネスを思いついたきっかけ、どうやって資金調達したか、どうやってコールドスタート問題を解決し、猛スピードでネットワークを拡大できたのかなどがそれぞれの担当者の言葉で書かれていて、じつに興味深い内容です。
スタートアップに関わる人なら、営業やマーケティング、プロダクト開発のところはもちろん、ミッション、ビジョン、経営戦略策定のあたりも気になると思います。
特に同社の場合、「“なくてはならぬ”をつくる」というミッションを掲げたことがきっかけでサービスが誕生していますので、ミッション、ビジョンの役割が綺麗に理解できると思います。
戦略部分を創業者の金谷元気氏と取締役副社長COOの小林寛之氏が、資金調達を執行役員CFOの西野将規氏が、マネジメントを執行役員CPOの井上直登氏が、営業戦術を執行役員CPDOの柿本雅淳氏とParking Innovation Group総合プロデューサーの大塚康広氏が、マーケティングの詳細を取締役CCOの杉村大輔氏とマーケティンググループの内藤仁氏が、広報戦術を森村優香氏と石川絢子氏がそれぞれ述べており、経営者目線の情報にとどまらないところがポイントです。
それぞれのメンバーが、なぜ前職を辞め、スタートアップであるakippaにジョインしたのか、その動機が書かれているのも、興味深いと思います。(リクルート目的かもしれませんが)
ビジネス書の中には、「切れば血が出る」タイプの本というのが存在しますが、本書はまさにそんなタイプの本。
起業のリアルを教えてくれる、とても良い本だと思います。
さっそく、本文の中から気になる部分を赤ペンチェックしてみましょう。
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2004年の春。私は、当時付き合っていた彼女と大阪の天王寺にいました。これから帰るのに、財布には200円ちょっとしかない。ちなみに、銀行口座の残高は、500円もありませんでした。それほど困窮していたのです。電車賃は2人で500円以上はかかります。「悪いけど、電車賃出しておいてくれへん?」「えぇー、私、お財布持ってない」そんな会話をしていると、雨が降り出しました。(中略)そこで目に入ったのが、商業ビルの地下にある100円ショップ。傘が1本100円で売っているのが目に入りました。「1本100円か。これを1本300円で2本売れば、電車賃をまかなえそうや」(中略)そこでビニール傘を2本買い、偶然持っていたノートに「ビニール傘 1本300円」とサインペンで書いて。、少し離れた場所で掲げました。するとスーツを着た2人組がそれに目をとめ、「お、兄ちゃん、2本ちょうだい。助かったわ」と買ってくれたのです。600円を手にして、見事、電車で帰ることに成功!「なにこれ。めっちゃおもろい」稲妻が走ったような衝撃でした
生活で困っていることを200個書いたら、「アキッパ」が生まれた
各地に人員を投入し、粘り強い駐車場開拓活動を通じて「目的地のそばに駐車場がある」という状態をつくりあげたのが、大手テックカンパニーに打ち勝った要因
Y combinatorのプログラムから生まれたトップ10の企業のビジネスモデルは、およそ次の9つのどれかに当てはまる(取締役副社長COO小林寛之氏)
1 SaaS(クラウドベースのサブスクリプション・ソフトウェア)
2 トランザクショナル(取引を仲介して手数料を取る)
3 マーケットプレイス
4 サブスクリプション
5 エンタプライズ(大手企業に大規模な固定期間の契約を販売)
6 従量課金
7 Eコマース
8 広告
9 ハードテック
マーケットプレイスの立ち上げ期は、この問題(コールドスタート問題)を解決して、自律して成長できる最小限のネットワークをつくることが、戦略のメイン課題(取締役副社長COO小林寛之氏)
事業計画をつくるときは、何から始めればいいのでしょうか。結論からお伝えすると、まずは売上やコストを因数分解していくことからスタートします(取締役副社長COO小林寛之氏)
経営レベルでは主に駐車場売上や平均有効掲載台数という駐車場のアクティブ台数、そしてサービスを利用してくれたユーザーの数、さらに売上粗利率などを、成長ドライバーとして定期的にチェックしています
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akippaというビジネスが、リアルとテックを掛け合わせたビジネス、法人・個人双方に訴求しなければならないビジネスのため、ビジネスのさまざまな側面が学べるのが良い。
ベンチャーキャピタルや起業成功者から著者がもらったアドバイスも紹介されており、スタートアップで成功するための要諦が学べる、良い本だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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『番狂わせの起業法』金谷元気、akippa・著
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761277505
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0D8KDNR5X
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◆目次◆
はじめに
第1部 ストーリーで学ぶ「番狂わせの起業法」
第1章 Jリーガー志望の挫折、そして起業
第2章 「業界の巨人」との対峙
第3章 「非線形な成長」を目指して
第2部 実践!「番狂わせの起業法」
第4章 ミッション・ビジョン
第5章 経営戦略
第6章 事業計画
第7章 資金調達
第8章 バリュー・カルチャー
第9章 プロダクト
第10章 営業
第11章 マーケティング
第12章 広報
あとがき
執筆協力者一覧
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