【友情が人生にもたらすもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296001744

本日ご紹介する一冊は、ニューヨークタイムズのベストセラーとなった、友情に関する最先端の研究と考察。

著者は、心理学者、フレンドシップ専門家で、メリーランド大学教授のマリサ・G・フランコさんです。

著者は、「友人は、ときには配偶者よりも大切な存在」と言い、良い友情のメリットを述べています。

・友情は死亡リスクを45％低下させる
・友人が自分の秘密を受け入れ、共感してくれたら、それが自分らしさになる
・友情があると、共感する力をどんどん鍛えられる
・友人の生き方が、自分の人生にもチャンスをくれる
・友情のおかげで他人を信用できるようになる

本書では、友達をつくり、維持する達人を「スーパーフレンド」と呼び（元々は「愛着理論」のオムリ・ギラスの言葉）、スーパーフレンドのような「安定型」とそうでない「不安型」「回避型」の違い、「不安型」「回避型」の人がどうやって友情を築けばいいか、そのヒントを述べています。

世の中には、人間関係が上手な人と苦手な人がいるわけですが、本書では苦手な人がなぜ上手く行かないのか、心理面、行動面から読み解いています。

「不安型」「回避型」の方は、図星過ぎてドキッとするかもしれませんね。（土井はスーパーフレンドと回避型の間ぐらいだと思います）

友情を育むために、気前良くなくてはならないこと、愛情を表現しなくてはならないことなど、貴重なアドバイスがなされており、勉強になりました。

「友情なんて、ビジネスと関係ないよ」と思った方は、ちょっと待ってください。

ビジネスでは、提案が受け入れられるかどうかが成否を決めますが、上手に提案するためには、心の安定が必要であり、じつはそれを作っているのは、友情による安心感なのです。

つまり、友情は確実にビジネスに影響する。

本書を読み終わる頃には、きっとみなさん、疎遠にしていた友人に連絡をしたくなるはずです。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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「自分は愛されている」と感じられるようになることは、自分の力では無理

過去に誰かが深く愛してくれたから、自分は愛される価値があると感じます。誰かが十分愛してくれなかったから、怒りっぽくなります

人は「受け入れられた」と感じると、さらに人とつながれるようになる

よりよい友人を持つ人は、よりよい人である

手を貸してくれるよう求めることは、深い親交の入り口になる

メタ分析によると、エクササイズは死亡リスクを23～30％、食生活は最大24％とそれぞれ下げますが、大きな交流ネットワークを持っていると、死亡リスクが45％も低減することがわかった

仏教には「ムディター」（喜）といって、他者の喜びをまるで自分のことのように共感して喜ぶ概念があります。（中略）祝福する友達がたくさんいれば喜びは無限に広がります

友人が自分の秘密を受け入れ、共感してくれたら、それが自分らしさになる

あるメタ分析から、質の高い友情を持っていることと共感力の高さは、相関することがわかりました

回避型の人は、よく友情を終わらせる

不安型の人は、自分を犠牲にしがち

住宅の可動性が高まったことで、友情が使い捨てにされるようになったとする研究もあります

人間関係を育む基本でありながら非常に重要な点は、相手にフォローアップの連絡をすることと、元気かと連絡を取ること（キャット・ヴェロス）

友情に必要なのは、定期的に会えること、もろさをお互いに見せ合えること

親しい友達がいると恋愛関係もよくなる

他人は、思っているよりあなたが好き

単純接触効果を活用するには、１度きりの交流イベントではなく、継続的に行われるものに参加することです

相手に支配的になるときは、心の底にもろさが隠れている

気前がいい人ほど、友達が多い

インターネット文化のせいで私たちは、友情を分割してしまいました。楽しみは招き入れるけれど、労力は避けるのです

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友情を学ぶために500ページ以上読まなければならないのが問題点ですが、字が大きく、余白も多いため、意外とサクサク読めると思います。

友情を築くヒントやノウハウは最小限ですが、良い友達を持つことのメリットや人生に与える影響について、深く学ベると思います。

良い友人をお持ちの方は、人生に感謝し、そうでない方はきっと良い人間関係を築こうと思える、気持ちの良い一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『フレンドシップ』マリサ・G・フランコ・著　松丸さとみ・訳　日経BP

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◆目次◆

日本版・まえがき
著者まえがき
はじめに　友達がいないことは、誰にとっても悲惨な損失
Chapter01　友情で人生が変わる理由
Chapter02　過去の人間関係が友情にどう影響するか
Chapter03　友達は自然にできるものではない
Chapter04　人生のために友達の力を借りよう
Chapter05　「本当の自分」を見せるのが真の友情？
Chapter06　友情に関しては、みんな怒りを我慢しがち
Chapter07　気前のよい人は友達が多い
Chapter08　親友とは
おわりに
原注