2024年7月2日

『会社や社員が犯罪に巻き込まれたときどうする?』海老谷成臣、林秀人・著 vol.6511

【企業の危機管理】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4297142309

KADOKAWAに対するサイバー攻撃、昨今のカスハラ問題、ストーカー問題など、企業のリスク対策への必要性は高まる一方ですね。

本日ご紹介する一冊は、大手総合オンラインサービスのリスク管理部長とリスク管理部犯罪対策課長による、企業のセキュリティ対策本。

両者ともに元警視庁警察官ということで、頼りになります。

なお、リスク管理部長の海老谷成臣さんは交番、刑事、機動隊、白バイ、爆発処理班を経て、サイバー犯罪捜査を経験した人物。

リスク管理部犯罪対策課長の林秀人さんは、交番、機動隊で水難救助、その後刑事を経てサイバー犯罪対策・捜査に関わった人物です。

今回のKADOKAWAの例もそうだったように、意外と企業は自社で何とかしようとしてしまいがちですが、それだと問題が起きてしまうと本書の著者らは指摘しています。

警察をどう活用するか、どんな準備・情報があれば、対策がスムーズに行くか、現場を知っている著者ならではのアドバイスが光る内容です。

「会社や社員が犯罪に巻き込まれた」
「反社がいきなりやってきた」
「取引先が反社の疑いがある」
「社員が悪いことをしちゃった」
「会社で事件が起きた」
「社員が自殺すると言ってきた」
「警察から問い合わせが来た」
「サイバー犯罪に巻き込まれた」

など、具体的なケースに対して、どう振る舞えばいいか、転ばぬ先の杖となる一冊です。

なるべく事件が起こらないように、起こったとしても冷静に対処できるように、また事件後の交渉を有利に進めるために、人事・労務・総務担当者は、ぜひ買って読んでおきたい一冊です。

ぜひ、読んで社内で情報共有しましょう。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

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自分たちでは解決できないと思ったら遠慮なく110番してください

いきなり警察署に行く前に、警察署の代表電話にかけてみよう

何が起きたのか、何をしてほしいのかを客観的に情報をまとめておく

渡せる資料、その場で目で見て確認できる資料を持参する

ID・パスワードを勝手に使用されて不正アクセスされた方は法律上被害者ではありません。その方は参考人という立場であり、被害届という書面を警察に提出できません

「まずは話を聞いてほしい。記録として残してもらいたい」という相談であれば、受理する警察官の心理的負担が軽くなり、結果的に良いアドバイスがもらえ、早急に捜査をするので資料提出や調書対応など協力してほしいなど前向きな意見をもらえて結果的に事件化されることもありますし、事前に相談して記録に残すことで、万が一に事案がエスカレートして110番するような事態になった場合、多くの警察官が瞬時に事案概要を把握できる

お勧めするのは、「調書には協力しますが、1時間以内で終わるようにしてください」とあらかじめ刑事さんに伝えてしまう方法

ストーカー行為を警察に相談する場合は、その行為が繰り返し行われたことを証明する証拠があると理想的

防犯カメラはあるけど自社の管理ではないという場合は、警察に相談すれば防犯カメラの管理者に掛け合って映像を入手してもらえる場合があります

ヤクザが来ても対応しない

街宣車が会社の前にやってきて大音量で抗議街宣を始めた場合は、110番通報

対象者の情報、反社かもしれないと思うその根拠などいくつかの要件をそろえることでその人が反社かどうか調べてもらうことができます

社員のプロフィールに皆さんの会社名が記載されていた場合、もし社員が逮捕されて実名が公になるとネット上で餌食になる可能性が高く危険

脅迫行為に対しては冷静に警告。会社側は複数で対応してダメージを薄める

ランサムウェアの場合、お金を払って復号できたとしても犯罪者側の手に渡ったデータが消えてなくなるわけではない

何かWeb上で手続きが必要であれば、メールに書かれているURLリンクをクリックするのではなく、正規のWebサイトから該当ページを探し出すというのが比較的安全な方法

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どうすれば警察が動いてくれるか、動きやすくなるか、知っておくことが身を助けます。

事・労務・総務担当者はもちろん、そうでない方も、ご自分の身を守るために、ぜひ、読んでおいてください。

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『会社や社員が犯罪に巻き込まれたときどうする?』海老谷成臣、林秀人・著 技術評論社

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◆目次◆

はじめに
第1章 会社や社員が犯罪に巻き込まれちゃった編
第2章 反社がいきなりやってきた編
第3章 社員が悪いことしちゃった編
第4章 会社で起きた事件の対応編
第5章 警察から問い合わせが来ちゃった編
第6章 サイバー犯罪編
第7章 警察組織って何?
おわりに
著者略歴
奥付

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