2024年3月8日

『最後は言い方』L・デビッド・マルケ・著 花塚恵・訳 vol.6433

【リーダーが知っておくべきこと。】
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本日ご紹介する一冊は、世界的ベストセラー『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー博士が絶賛した、リーダーシップの秘訣をまとめた一冊。

※参考:『7つの習慣』
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著者は、全米屈指のエリート校である海軍兵学校をトップで卒業し、1999年から2001年まで米海軍の攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」の艦長を務めた、L・デビッド・マルケ氏。

戦力外の134人をたった1年でダントツのトップチームに生まれ変わらせたその手法が評価され、現在はリーダーシップを教えるコンサルタントとして活躍中の人物です。

原題は、”Leadership Is Language”で、邦題は『最後は言い方』となっています。

確かに、多くのリーダーを見ていると、言い方一つで尊敬されたり、評価を落としたりしているケースが目立ちます。

確かに、リーダーシップは言葉ひとつで決まるのかもしれません。

ただ、実際に本書が注目しているのは、リーダーの「言い方」で、メンバーの思考や行動が左右されるという事実。

本書では、その反面教師として、優秀な部下がいながらハリケーンに直撃し、破滅的な状況に陥った貨物船「エルファロ」の例を挙げ、どうすればこのような悲劇を防げるのか、実践的なアドバイスをしています。

本書の中で著者は、実行する仕事を「赤ワーク」、考える仕事を「青ワーク」と名づけ、モード別に言葉を変える必要性を説いています。

赤ワークではプラスに働く「締切」や「刺激」が、青ワークではマイナスに働く。

青ワークでは、「君はどう思う?」のような言い回しが効くと述べています。

なんだかリクルートのコミュニケーションに似ていますね。

どうすればメンバーの思考停止を防ぎ、前向きな組織にできるのか。

コミュニケーションのコツが事細かに書かれていて、じつに勉強になります。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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上の人が口を開いて、下の人が同調する構造 これはまさに産業革命時代のやり方だ

思考モードのときは、意見の多様性を歓迎する

行動モードのときは、意見の多様性は敵になる

青ワークでは次のような言葉がよく使われる。
「君はどう思う?」
「これについて、われわれはどの程度準備ができている?」
「もっといい方法をとれないか?」
「学んだことは何か?」

青ワークが外圧にさらされると、あっという間に悪影響が生まれかねない

ストレスのせいで自衛の思考心理に陥っている組織には、何もしないでおこうとする姿勢が表れる

赤ワークの言葉では「改善の思考心理」になれない

中断できる環境を整える

中断のための言葉や合図を決めておく

意思決定を行うときに避けたいのが、上司が決めたあとで、周囲にそれでいいかと確認するやり方だ

会議の場で注目すべきは、極端な意見を持つ「異端児」だ。誰よりも肯定的、または否定的な感情を持つメンバーに焦点をあててほしい

会議で反対に投票した人がいれば、彼らに発言の機会を与えよう

「どう始めようか?」
「素早く安く試すにはどうすればいい?」
このように尋ねると、尋ねられた側は障害や限界について心配するのをやめて、限られた時間とリソースで何ができるかと考えるようになる

労いのなかに評価の言葉を交えてはいけない

感謝の意は伝えるが、評価を下してはいけない

「自分は優秀」モードの人ばかりでは改善は生じにくい

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政界から芸能界、実業界に至るまで、日本の職場のコミュニケーションにはまだまだ産業革命期のやり方が蔓延っている。

「赤ワーク」モードを避け、メンバーの創造性を解き放つ上で、本書が役に立つと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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『最後は言い方』L・デビッド・マルケ・著 花塚恵・訳 東洋経済新報社

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◆目次◆

はしがき 「言い方ひとつ」でチームは変わる
序 章 優秀なプレイヤーが優秀なリーダーに変わるとき
第1章 古いリーダーシップで使われる言葉
第2章 上からの圧力と忖度の空気を壊すには
第3章 時間に追われて進路を間違えそうになったら
第4章 誰もが異論を言いやすい環境を作るためには
第5章 メンバーの他人事感を感じたときは
第6章 思考と行動のバランスがよくないと思ったら
第7章 アウトプットをもう一段改善したいと感じたら
第8章 チームに心理的安全性が足りないと思ったら
第9章 言葉で行動がどう変わるかを知りたいなら

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