【ブランド作りのプロセスがわかる。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761277130
本日ご紹介する一冊は、武蔵野美術大学を卒業し、電通で経験を積んだアートディレクターが、ブランド作りの基本とプロセスを紹介した一冊。
本書のなかで著者は、クライアントからの要望が、「広告キャンペーンを実施し、来年の売上を何%上げたい」から、「長期的な目線でブランド価値をどう高めていくべきか」に変わったと述べています。
背景には3つの理由があるそうで、それは以下の通り。
1.企業から発信するコンテンツの量が増えたため、一貫性を管理することが以前よりも難しくなった
2.情報発信が毎日取り組むものに変わった
3.クチコミの重要度が上がり、大きな広がりが期待できるようになった
なるほど、確かに多くの企業が悩んでいそうですね。
では、どうすればブランドを構築し、長期的にブランド価値を高めることができるのか。
本書には、その秘訣とブランド構築のプロセスが丁寧に書かれています。
ナイキ、スターバックス、無印良品、資生堂を例に解説されている、「ブランドの人格」の話、ブランドコンセプトのチェック方法、ネーミングのポイント、ロゴマークのポイント、書体のチェックポイントなど、ブランド作りに取り組む人が知りたいことが、過不足なく書かれています。
ここまで明確にチェックリストが示されていると、間違いが減りそうでいいですね。
ブランドを専門とするコンサルタントやアートディレクターにとっては、基礎的なことが多いと思いますが、これからブランド作りを始める人にとっては、とっつきやすい一冊だと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
—————————-
これからの商品やサービスは、便利さや値段を追求するだけではなく、意味が求められている
短期的なインパクトから、ブランドとしてのストーリーが求められるようになってきている
「これでいい」ではなく「これがいい」と思ってもらうことが、これからのブランドに必要なこと
デザインの4つの力
(1)問いを見つける
(2)想像を可視化する
(3)整理しわかりやすくする
(4)心を動かすカタチをつくる
「好き」だから買う(=ファンになる)状態をつくることで、売るのではなく、売れる状態を目指す
ブランドの人格の例
・ナイキ・・・・スポーティでアクティブ、自分の主張をきちんと持っている人
・スターバックス・・・・オシャレで都会的、自分の時間を大切にする人
・無印良品・・・・清楚でまじめ、丁寧に生活している人
・資生堂・・・・上品で美しく、自信に満ち溢れている人
「ブランディングの目的は、好きになってもらうこと」「マーケティングの目的は、売ること」
ブランドコンセプトのアイデアのチェック項目
(1)オリジナリティがあるか
(2)短いか
(3)ブランドらしさはあるか
(4)アイデアが広がるか
ネーミングのポイント
(1)覚えやすいか
(2)ブランドコンセプトと一貫性があるか
(3)普遍性があるか
(4)発音した時の印象がよいか
(5)商標登録できるか
ロゴマークのポイント
(1)ブランドコンセプトと一貫性があるか
(2)色やカタチに独自性があるか
(3)ブランド展開に合っているか
(4)造形としての完成度が高いか
推奨書体のチェックポイント
(1)ブランドの世界観に合うかどうか
(2)ターゲットとの相性がよいか
(3)何に使用するのか
—————————-
内容のほとんどは知っている話でしたが、コンセプトやネーミング、ロゴマーク、書体などのチェック項目がわかるのは大変良い。
文章も事例もわかりやすく、初心者はぜひ読んでおきたい一冊です。
———————————————–
『デザインを、経営のそばに。』八木彩・著 かんき出版
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761277130
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0CQZN96XN
———————————————–
◆目次◆
はじめに
第1章 これからのブランドを考えよう
第2章 デザインを知ろう
第3章 デザインを使おう
第4章 ブランディングデザインを体験しよう
おわりに
スタッフリスト
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。