2023年1月24日

『田中角栄名言集』小林吉弥・著 vol.6161

【田中角栄に学ぶ、仕事と人生の極意とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344986814

本日ご紹介する一冊は、田中角栄のリーダーシップと処世術を、名言から学ぶ一冊。

著者は、政治評論家で、歴代政治家のリーダーシップ論に定評のある小林吉弥(こばやし・きちや)氏です。

小林氏は、1969年に田中角栄元首相の取材に初めて携わって以来、四半世紀にわたり、田中角栄氏を取材。

最大141人に及んだ田中派議員の大半を含むのべ1000人ほどに取材し、記事を書いてきました。

本書では、そんな著者が、田中角栄氏の名言を見出しにし、そこに秘められた気配りや人身掌握術を紹介。

もともと、セブン&アイ出版から刊行されていた『決定版 田中角栄語録』を大幅加筆・修正したものですが、著者の丹念な取材の成果か、ライブ感あふれる読み物に仕上がっていると思います。

1章では、「なぜ、人は動くのか<凄絶「気配り」編>」として、田中角栄氏の気配り術とエピソードを紹介。

続く2章では、人に好かれる極意を紹介しています。

3章、4章では、リーダーシップの極意と、人材育成の秘訣をそれぞれ紹介しています。

5章では、<田中角栄もビックリ!圧巻の「処世名人」列伝>として、田中角栄以外の人身掌握の達人の言葉を紹介。

具体的には、後藤田正晴、野中広務、三木武吉、佐藤栄作、竹下登、梶山静六、金丸信、川島正次郎、森喜朗、渡部恒三、鈴木宗男、春日一幸、幣原喜重郎、小沢一郎、石橋湛山の15名の言葉が紹介されています。

到底ここまでできる自信はありませんが、田中角栄氏の細やかな気配り、人を立てるためのストイックさは、ビジネスパーソンも学んでおいて損はないと思います。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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最大の気配りとは、まず相手と全力で向き合うことだ

いいか。ワシは助けてやっても、彼らが味方になってくれることは期待していない。大事なことはいざというとき敵に回らなければ、それで十分なのだ

相手に喜んでもらうなら、徹底的にやってあげることだ。中途半端な親切は生きない

昭和51(1976)年8月、ロッキード事件で逮捕、保釈された田中角栄は、まず田中事務所にいる男性秘書の奥さん方へ、電話で“お詫び”を入れたそうである。「奥さん、すまんかったな」というものであった

田中さんが総理に就任したとき、田中さんから『福田さんが来るから、場所をつくれ』との指示があったんです。田中さんとしては、総裁選での対立を引きずらないために、ちゃんと福田さんをお招きしたいということで、私に命じたと思われる。田中さんは『(福田とは)仲良くしとかにゃいかん』と、よく言っていましたからね

世の中、人はカネの世話になることが何よりつらいのだ。相手の気持ちを汲んでやれ。そこが分かってこそ一人前だ

『君の親父さんはね、こういう男だったんだ』と。懐かしい父親の話を持ち出され、うれしくない人はいない。誰もが角さんに“身内意識”みたいなものを感じてしまう

冠婚葬祭、重視したいのは結婚式より葬儀だ。結婚式で楽しく浮かれているのはあと回しにしておいてもいい。人の悲しいときにこそ、できるだけ心を配ってやって当然だ

人には歴史がある。簡単に削減とはいかん

どうしても悪口を言いたければ、一人でトイレの中でやれ

最も過酷な批判者に目を瞑り、邁進できる者だけが、リーダー、上司の有資格者だ

敵と味方ばかりではない。その間にある中間地帯(グレーゾーン)が一番広い。そこを取り込めなくてどうする

親、子、孫がこのトンネルを通る。そして、皆が故郷を愛するようになる。それをつくるのが政治家の仕事、政治の役目だ

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理想論ではない現実的な処世術なのに、なぜか感動や理想がある。

きっと人間は、こういう配慮ができる人間になりたいと、心の底では思っているんでしょうね。

なぜこの人に周りがついていったのか、よくわかる気がしました。

ぜひ、読んでみてください。

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『田中角栄名言集』小林吉弥・著 幻冬舎

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◆目次◆

「人間力」が問われる時代が来る
第一章 なぜ、人は動くのか
第二章 人に好かれる極意
第三章 リーダーシップの磨き方
第四章 部下を育てる
第五章 田中角栄もビックリ!圧巻の「処世名人」列伝
参考文献・資料 

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