2012年5月20日

『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる』 酒巻久・著 Vol.2860

【リーダーシップの第一歩】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022509708

課長のためのノウハウ書というと、『はじめての課長の教科書』をはじめいい本がいろいろありますが、本日読んだ『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる』は、そのなかでもベストの一冊です。

※参考:『はじめての課長の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596146

『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる』は、キヤノン電子を利益率10%超の高収益企業へと成長させた酒巻久社長が書いたもので、課長から社長へと昇進を狙う人にとっても、役立つ一冊です。

著者いわく、「課長として、一〇人の部下を動かすことができれば、社長業も務まる」。

その根拠は、部長になって10人の課長を動かせば100人の組織を率いることができるというように常に一〇人の組織を動かせれば、どんなに大きな組織でもマネジメントできるからです。

では、社長への最初のステップである課長時代に、どうやって部下をマネジメントすればいいのか。本書にはその原理原則が書かれています。

企業を高収益体質に変えるためのシンプルな方程式、部下に指示を徹底させるための確認の技術、「憶測でものを言う部下」への対処法、うまい始末書の書かせ方…。

いずれも著者が現場で実践した内容で、中身は驚くほど具体的。

うちの部下には読んで欲しくないですが、部下にあたる人は、これを読むことで上司の腹の内を知ることができるはずです。

社員として一皮むけるためにも、またマネジャーとして実務能力を高めるためにも、読んでおきたい一冊。

これはひさびさに「当たり」のキャリア本です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私は常々「課長として、一〇人の部下を動かすことができれば、社長業も務まる」と言っているが、部長になったら優秀な課長を一〇人動かせば良いのだ。課長それぞれに一〇人の部下がいれば、一〇〇人の部下を的確に動かすことが可能となる

◆仕事をするうえでの優先順位
1.自分に気をつける
2.上に気をつける
3.下に気をつける
4.横に気をつける
5.外に気をつける

相手が納入業者であっても、基本的には「お客様」だという気持ちがないといけない。一人の社員の横柄な態度がブランドと会社に対する信頼を損ねることになるのだ

もし部下に挑戦意欲のないタイプがいたら、「第一人者を目指すつもりで頑張らないと、いずれ居場所がなくなるよ」と言って繰り返し奮起を促す

世の中には、人事異動に不満をもらす人が少なくない。そういう人はもともと三流の人で、仮に自分では力が発揮できると思っている部署へ異動させても、まずダメである。ほんとうの一流は、どこへ行っても一流になれる

普遍的でシンプルな「利益を出す方法」は、時間もコストも、すべてを半分にしていくこと

多くの人は会社の売上が一〇%落ちても気にしないが、自分の給料が一〇%減ったら真っ青になって大騒ぎする。まず、それを改める。売上が一〇%落ちたら、いずれ自分の給料も一〇%減るのだという、正しい危機感を持つことだ

試作部門を一本化したことで工場の使用スペースは四分の一に

上司が部下に与えるべきは、「緊張感」と「達成感」

「憶測でものを言う部下」には、徹底的に調べて確認させる

部下に指示をきちんと伝えるには、どうすればいいのだろうか。一番いいのは、指示した内容を復唱させた後に、こう質問する方法だ。「いま指示した内容の一番大事なポイントは何だと思いますか? 要点はどこだと思いますか?」

同じ失敗を二回繰り返したら、始末書を書いてもらう

約束を守らない、報告をしない、手抜き、嘘、言い訳は、烈火
の如く叱る

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『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる』 酒巻久・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022509708
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◆目次◆

序章 常に、第一人者を目指す
1章 課長に必要な、部長を巻き込む力
2章 課長はまず、夢と目標を掲げる
3章 指示と報告を徹底する
4章 上位五〇%の人材を集中して鍛える
5章 課長になったら、人間通を目指す
6章 上に立つ人は倫理を大事にする

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