【有事に備える。】
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今日は、ペロシ米下院議長が、台湾を訪問したということで、緊張が高まった一日でした。
ロシアのウクライナ侵攻に引き続き、台湾有事が現実的になってきたということで、将来どうなるのかシミュレーションしたいニーズは高まっていると思います。
本日ご紹介する一冊は、元陸上自衛隊で、大韓民国駐在武官、陸将補、西部方面総監部幕僚長、陸将を歴任した福山隆氏と、同じく元陸上自衛隊でイラン駐在武官、内閣情報調査室国際部ロシア班長、防衛省情報本部情報官など、長く中東・ロシア情勢のインテリジェンスに関わった宮本一路氏が、日本に起こり得る危機を解説した一冊。
ロシア、中国、アメリカ、インド、韓国、北朝鮮がそれぞれどういう思惑を持っているのか、有事の際の戦力や制約条件は何なのか、国によって違う立場を、簡潔に説明しています。
もともと、2012年2月に出されていた『2013年、中国・北朝鮮・ロシアが攻めてくる』に大幅加筆したもので、その後の世界情勢を見ると、著者らが予想していたことがほぼ起こっているということになります。
日本の危機は、いかにして訪れるのか、その際に自衛隊+米軍はどの程度防ぐことができるのか、有事の際に考えておくべきことは何か。
これから先の住まい、ビジネス、投資を考える上で、極めて重要な情報だと思います。(一時期バブルのあった宮古島あたりは厳しいかもしれませんね)
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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経済制裁はコロナ禍によるパンデミック・シンドロームと相俟って、ロシアのみならず地球全体を冷え込ませ、「相打ち」になる恐れがある。広大な土地と石油・天然ガスなどの資源を有するロシアは欧米による経済制裁に対しては抗堪性を有しており、短期的な経済制裁は致命傷になりにくい
ウクライナ侵攻に対するバイデンの出方次第では、プーチンが北海道に食指を伸ばす可能性もある。プーチンにとっては北海道に侵攻することで、習近平との共同戦線が構築できる
世界は多様化し、不安定化の方向へ
米国「一極」支配時代から米・中・ロ・印の「四極」化へ
「中華世界の復興」とは、清朝最盛期に保持していた版図を回復すること
いつの時代も群雄割拠する諸国家は自らの安全と国益を求めて、随時、合従連衡を繰り返すものです。「極」が増えれば増えるほど、国家同士の合従連衡の組み合わせは増加します
2つの「極」の間にある小国は「極」同士の外交的組み換えがあれば、深刻な影響を受けます
中国が安心して太平洋に進出するためには日本から在日米軍・基地を排除しなければなりません
今、日本国内では中国漁船の暴挙などで尖閣諸島に注目が集まっていますが、軍事大国となった中国にとって、尖閣・八重山・宮古諸島までは一つの戦域でしかないということも肝に銘ずるべき
北朝鮮から最も接近が容易で、かつ日本の致命的な弱点は若狭湾
ロシアが北海道に侵攻する場合
1.日米安保条約が破棄された場合
2.米国が中東等の遠隔地の戦闘に巻き込まれ、極東に手が回らないことが明らかな場合
3.台湾や朝鮮半島問題で米中戦争が起こり、戦闘の形勢が米国に不利で、ロシアが北海道に手を出しても米が介入しないと判断した場合
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新たに加筆した部分に「●」を入れてくれてはいますが、やはり元々は2012年の本。
ちょっと情報が古い部分はアップデートしたらいいのに、と思いながら読みました。
とはいえ、現在の国際情勢を捉える上で、極めて有用な本ではあると思います。
これを読む限り、これからの日本のトップは、外交下手では務まらない感じがしますね…。
ぜひ読んでみてください。
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『ロシア・中国・北朝鮮が攻めてくる日』福山隆、宮本一路・著 幻冬舎
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◆目次◆
改訂版まえがき
まえがき
序章 ロシアのウクライナ侵攻
第一章 日本を取り巻く戦略環境
第二章 日本を襲う、6つの脅威
第三章 日本に壊滅的な影響を及ぼす4つのシナリオ
第四章 危機対処上の課題と提言
ロシア・ウクライナ出張記録
あとがき
改訂版あとがき
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