http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317827
本日の一冊は、電話設置の現場担当から、加入者数一億人を超える携帯電話の最大手、ベライゾン・ワイヤレス社のCEOにまで上り詰めた著者が、そのマネジメントの奥義を示した一冊。
「原則」にこだわるストイックなマネジメントスタイルは、あの柳井正氏が「最高の教科書」と謳い、ベストセラーとなった、『プロフェッショナルマネジャー』にも通じるものがあります。
※参考:『プロフェッショナルマネジャー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/483345002X
『プロフェッショナルマネジャー』で、著者のジェニーンが掲げたのは、「三行の経営論」という概念で、これは目指す結果から逆算して行動する、というものでした。
◆三行の経営論
本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
同様に、本書では、著者のデニー・F・ストリグルが、こんな行動指針を示しています。
もしあなたのマネジャーとしての行動が、次の四つのうち、いずれの成果も生み出していないなら、その行動はやめるべきである。
1.売上を伸ばす
2.新規顧客を得る
3.既存顧客を維持する
4.コストを削減する
マネジャーがやりがちなコミュニケーションの無駄や逆効果を指摘し、正しい指示の方法や会議のやり方、パフォーマンスレビューの方法をまでを指南してくれる、じつに実践的な内容。
ドラッカーを読んでも結果が出ない、という人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マネジャーの哲学の根底は、揺るぎない一点をよりどころとしている。それはすなわち、マネジャーの最優先事項は、結果を出すこと、という点だ
マネジャーが苦しむ主な理由は、組織内で責任感をともなった行動が欠けている点にある。これはすなわち、マネジャーたちが、自ら責任感についての規範を示していないということであり、そのために、部下たちにその姿勢が備わっていないのである
スキル、やる気、忍耐そして野心などを土台とした行動が、成功するマネジャーをつくるのである。しかも、ただの行動ではなく、それが習慣となるまで、何度も繰り返される行動である
部下は、特にマネジャーがストレス下に置かれたときの振る舞いに着目している
◆信頼の元となる三つの要素
1.高潔さ 2.オープンな環境 3.相手への敬意
「伝える」のではなく、「尋ねる」ように話す
「しかし・一方では・でも」といった言葉を避ける
「結果」とは、行動から生まれる計測可能なものであり、最終的に会社としてのゴールにつながるものを意味する
◆マネジメントの四大原則
1.売上を伸ばす
2.新規顧客を得る
3.既存顧客を維持する
4.コストを削減する
◆パフォーマンスの問題を特定する3つのプロセス
1.数値化できる要因を突き止める
2.日々の作業項目に落とし込む
3.変えるべき具体的な行動を確認する
ランチミーティングは避けよう。単なる時間のムダである
期日がないコミットメントは受け付けない
自尊心を高める一番の方法は、はじめは自分にはできないと思っていたことを成し遂げることだと思う。自尊心とは、経験から生まれるものなのだ。こうした条件のもとで、マネジャーにできるのは、部下が思っている以上のことができると、彼らの可能性を信じることなのである
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『「叩き上げCEO」が明かす結果にこだわる思考法』デニー・F・ストリグル、フランク・スウィアテク・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317827
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◆目次◆
chapter1 なぜマネジャーの仕事がうまくいかないのか
chapter2 信頼の持つ力
──高潔さ、オープンな環境、相手への敬意
chapter3 マネジャーの一番大事な仕事──結果を出す
chapter4 ものごとはシンプルに
chapter5 リーダーが責任感を持てば部下にも伝染する
chapter6 結果を出すためのテクニック
chapter7 成功するマネジャーの心得
chapter8 気が散る原因をコントロールする
chapter9 高いパフォーマンスを出す会社にする
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