【マキャベリの君主論を今、活かすには。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000489
本日ご紹介する一冊は、経営共創基盤(IGPI)の冨山和彦氏と木村尚敬氏が、マキャベリの『君主論』をベースに、現代のリーダーに向けて述べたリーダーシップ論。
全体は3部構成となっており、まず第1部で冨山和彦氏が「なぜ今、君主論か」を解説。歴史を踏まえながら現在のリーダーが置かれた状況を解説し、ゲームのルール、リーダーの役割がどう変わったかを論じています。
続く第2部では、『ダークサイド・スキル』で話題となった木村尚敬氏が、マキャベリの『君主論』をどう読み解くべきかを解説。今、日本企業に必要なCX(コーポレート・トランスフォーメーション)についても言及しています。
※参考:『ダークサイド・スキル』
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第3部は著者2人の対談で、2021年6月に逝去した元・日立製作所の社長・会長、中西宏明氏のリーダーシップについて論じています。
数多くの企業再生に関わった著者2人が、企業改革の実践と、そこで必要になるリーダーシップ、組織改革、コミュニケーションについて述べており、経営のリアリティを感じます。
有事に求められるリーダーシップのあり方がわかる、経営者・リーダーにおすすめの一冊と言っていいでしょう。
これから先の組織の舵取りをどうするべきか、悩んでいるリーダーにとっては、後継者選び、後継者育成のヒントにもなると思います。
本書を読めば、なぜ日本企業がここまで衰退したのか、V字回復した企業はなぜ復活できたのか、その理由が明確になるに違いありません。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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日本企業のあり方を根底から変容させる「コーポレート・トランスフォーメーション(CX)」こそが、破壊的イノベーションの時代を生き抜く唯一の方法
どの感染症によるパンデミックも、必ず数年以内に終わる。そして収束後に時代が後戻りしたことはない。混乱を経て、時代は先へ進むのが常だ。100年前に起こったいわゆる「スペイン風邪」の流行は、ちょうど第一次世界大戦の最中だったが、収束後も帝国主義の時代には戻らなかった。ドイツやロシアなどの専制君主国家は崩壊し、植民地として支配されていた国々や大国に属していた民族の間で独立の動き、いわゆる民族自決運動が加速する
昭和の社長は「上がり」のポストだった(中略)今は違う。社長が誰になるかではなく、社長になってから何をするかが問われる
優秀な人材ほど、出入り人事をしろ
サラリーマンの選抜戦をいくら勝ち抜いても、真のリーダーにはなれない。むしろ昭和型サラリーマンの王道など、どんどん踏み外していくべきだ
人間は普段、相対している人物の正面しか見えていない。しかしその人の後ろに回ってみると、実は意外なものを背負っているかもしれない。最初は自分と対立する意見に思えても、相手の言葉を表裏から多面的に眺めることで、お互いの間にある共通の利益や協調できる部分が見えてくる
無形財である知識と情報を生み出す原資は、「人」である。よって個人をいかに動機付け、価値を創出させるかが勝負となる。江副氏は、個の力を引き出して最大化することを最重要視して企業体を作り上げていった
買収先の経営を部下に丸投げしてはいけない
「謙虚、勉強、威厳」で無知な期間を乗り切れ
痛みを伴う改革は一度でやり切る
平時の発言や振る舞いだけを見て、そのまま相手を信用してはいけない
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優しいだけでは務まらない有事のリーダーシップの現実を教えてくれる一冊。
マキャベリの『君主論』と併せて読みたい、リーダー必読の一冊です。
※参考:『君主論』
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『シン・君主論』冨山和彦、木村尚敬・著 日経BP
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◆目次◆
はじめに 乱世の今こそ、歴史に学べ
第1部 なぜ今、君主論か 冨山和彦
第1章 ゲームのルールが変わった
第2章 リーダーの役割が変わった
第3章 だからこそ、君主論
第2部 君主論の教えに学ぶ 木村尚敬
第1章 コーポレート・トランスフォーメーション(CX)とは
第2章 君主こそ、戦場に出るべし
第3章 大胆な改革は冷徹に、非情に
第4章 畏れられろ! 嫌われろ!
第5章 決断せよ! リスクから逃げるな!
第6章 リーダーであるということ
第3部 対談・君主論を体現するリーダー
ーー中西宏明氏が見せた「覚悟」冨山和彦×木村尚敬
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