http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620327212
本日ご紹介する一冊は、創設3年の卓球チームを日本一にし、プロスポーツ日本初の上場を成し遂げた、琉球アスティーダスポーツクラブ代表取締役、早川周作さんによる一冊。
先ほど入った情報ですが、早川さんは、2021年の「顔」として、「Forbes JAPAN 100」にも選出されたそうです。
著者の半生と琉球アスティーダ起業の物語、そしてこれまで90社のベンチャー企業を指導してきた経験から、起業成功のポイントをまとめています。
有望なビジネスをどうやって見つけ、そのタネを育てていくか、資金集めや採算性が難しい事業を、どう有望なビジネスに変えていくか。著者の思考が垣間見える、興味深い内容です。
数多あるスポーツのなかで、なぜ卓球なのか。世界市場の大きさを知れば、自ずとそれが見えてくるのですが、なるほど、こういうビジネスは他にもありそうです。
また、何かが上手く行っていない時は、必ず理由があるものですが、本書では、なぜスポーツではお金が集まらないのか、なぜ上場が困難なのか、著者が突き止めた事実と、それをどう乗り越えたかが書かれています。
ノウハウ的なものはほとんど書かれていませんが、起業家としてビジネスのチャンスや勝ち筋をどう見極めるか、壁にぶち当たった場合、どう動くか、思考と反射神経が鍛えられる内容だと思います。
まったくド素人だった著者が、いかにして卓球ビジネスを再構築していくか。そのプロセスを知ることで、ビジネスに必要な「基本」を学ぶことができるでしょう。
ビジネスや人生の処世術としても、面白い一冊だと思いました。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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「琉球アスティーダスポーツクラブ」がある沖縄の中城村というところは、人口約2万人の村です。オフィスの家賃は、4万8千円。この数字だけを見て、強いか弱いかをパッと判断したら「弱い」と人は思うでしょう。でも、当社は設立3年で日本一のプロチームをつくり、スポーツチームとして日本で初めて株式上場をした会社になりました。弱いものが、強くなれる。志があるところには、必ず道が拓けるのです
ある日、僕が持っていた古い六法全書が、新しい縁を引き寄せます。後ろの席の女の子が「あれ、司法試験を目指してるの?」と声をかけてきたのです。そうだよ、絶対に在学中に合格するんだと伝えると「今度、弁護士の先生と食事に行くんだけど、一緒に行く?」と誘ってくれました。(中略)古い、役に立たない六法全書が、僕を法曹の道のスタートラインに立たせてくれたのです。この経験を通して僕は、自分の思いを発信していくことの大切というものに気づきました。発信は、応援してくれる人を引き寄せます
スポンサーやチケット収入に頼った仕組みではなくて、我々はスポーツを基軸としたBtoC、BtoBおマーケティング会社をつくろうと決めました
「嫌われることが怖い」という理由で自分の主張ができないという場面を、ビジネスの現場でよく見かけます。でも、全員に好かれようとすることはそもそも無理なことです。「好かれようとしているうちは半人前」なのです
あれこれと言うよりも、“結果で”闘う相手をぶん殴ること
誤解をとくことは確かに面倒なことではありますが、外せないプロセスでもあると思います。志がある人がまっすぐな道を進みたいと考えたとき、誤解がそれを阻みかねない状況を生み出すことがあります
地方創生を目指すビジネスは地元の金融機関などからお金を集めなければいけないと考えてしまいがちで、その結果小さくまとまってしまうことがあります。しかし地元の方に支持をされながら、資金調達もファン集めも“脱・地元”で進んでいくべきだと思うのです
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大学受験直前に父親が蒸発し、学生時代から起業。元首相秘書を経て、日本最大級の経営者交流会の主催者、約90社の顧問・アドバイザーも務める著者が、いかにして不可能と言われたプロスポーツ初の上場を実現したのか。
来年こそ壁を突破したい、と考えるすべての人に、おすすめしたい一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『琉球アスティーダの奇跡』早川周作・著 毎日新聞出版
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620327212
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09N6ZLL2N
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◆目次◆
第1章 早川周作の「志」ができるまで
第2章 会社設立~Tリーグ開幕
第3章 業界の常識を打ち破る
第4章 スポーツビジネスにお金が循環する
第5章 優勝、そして、株式上場
第6章 未来へ
第7章 生きるということ
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