2021年12月23日

『話し方は3割』松本和也・著 vol.5906

【元・紅白司会の話し方の極意】
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本日ご紹介する一冊は、「英語でしゃべらナイト」、「NHK紅白歌合戦」総合司会、「NHKのど自慢」司会などで知られる元NHKアナウンサー、松本和也さんによる話し方本。

以前、Clubhouseでご一緒した際、その話し方テクニックをご披露いただきましたが、本当に実力派の話し手です。

現在はNHKを退職されて、ビジネスパーソン向けのプレゼンテーション、スピーチ指導をしており、本書にはそのメソッドが紹介されています。

『話し方は3割』という、ベストセラーのパロディのようなタイトルがついていますが、これは、著者がレッスンで受講生に伝えている内容をタイトルにしたもので、詳しく書くと、こういうことです。

<「人前で」「まとまった内容の話」を「しっかりと伝える」ために必要な要素は、大きく3つ。1「話し方=いわゆる声を出して話す行為そのもの」2「話す内容の仕上がり具合」3「スライドなどの見せ方やしぐさ、服装、表情などの演出」>

この3つの要素の重要性を割合で示すと、話し方=3 話す内容=5 演出=2になるそうで、そこからこの『話し方は3割』というタイトルが来ています。

よって、本書の内容も、話す内容に重点が置かれており、プレゼンでの原稿作り、構成、エピソードなどに言及しています。

いわゆる雑談などに向く方法ではありませんが、人前でスピーチする方や、講演、YouTubeなどで稼ぐ方には、読んでおいて損のない内容です。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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マイクやスピーカーは大いに発達し、聞こえやすくなりました。しかも、いまや話し手の顔は、遠くに豆粒のように小さく見えるものではなく、大型スクリーンやテレビ、スマホなどの画面を通して目の前でしゃべっているように見ることができるものです。そこで必要な話し方は、多くの人に大声で呼びかけるものではなく、一人ひとりにしっかりと語りかける形です

プレゼンの原稿を作るときに、強調したい部分だけフォントのサイズを大きくするなどしておくと、話すときに反映できます

構成のテクニック
ステップ(1)まずは言いたいことをすべて書き出す
ステップ(2)同じ内容のグループごとにまとめる
ステップ(3)並べ替える

オープニングのパターン
1.結論から始める
2.(つかむタイトルをつけた)概要(アジェンダ)から始める
3.「あるある」から始める
4.意外な話から始める

「ざっくり→しっかり法」
これから話す内容は「ざっくり」言うとどういうことか、から話す。そのあと、補足することを「しっかり」話す

「びっくり→スッキリ法」
最初にインパクトのある「びっくり」するような表現で始める。そのあと、種明かしのような内容で「スッキリ」納得させる

話の中身にメリハリをつけるための鉄則
1.抽象的な話のあとには具体例を入れる
2.いい話、ためになる話を続けすぎない
3.具体的なエピソードを交える

「述語を早く言う」ことで、まず言いたいことをざっくりと伝えることができる。さらにその述語に対して「何を」にあたる、英語でいう目的語を後ろに置くことで、聞く人の興味をひきつけることができます

体言止め、倒置法を恐れず用いる

いったん無駄を全部省いた文章を作ったあと、自分なりのことば癖などを少しずつ混ぜていく

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きれいなだけでは印象に残らない。でも、文法的にはきれいである必要がある。

そこで編み出した、著者独自のやり方が168、169ページに書かれており、これには脱帽しました。

人前で話すことが苦手、という基礎レベルから、メディア、聴衆の前で話すプロレベルまで、著者のテクニックがふんだんに紹介された一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『話し方は3割』松本和也・著 BOW BOOKS

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◆目次◆

はじめに
第1章 話し方の3つの基本テクと2つの上級テク
第2章 話す力は、書く力
第3章 インパクト大、差がつく プレゼンテーションでの話し方
第4章 毎日がミニプレゼンテーション! さまざまな場での話し方
第5章 オンライン! プロが教えるカメラ相手の話し方
おわりに

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